国内屈指の海の美しさ!宮古島のダイビング3大地形スポットを極めよう!

「宮古島」の3大地形スポットを極める

宮古島は、沖縄県の離島の中で石垣島と並んでアクセスがよく、東京や大阪から直行便が就航しています。旅行会社のツアーも多く、美しいビーチと透明度の高い海により、観光客から高い人気を誇っています。

数年前には伊良部大橋ができ、伊良部島や下地島と地続きになったことから、下地島空港が開港し、宮古島空港と合わせて、2つの空港を使えるようになりました。受け入れられる飛行機の乗客数が増えたこともあって、ますます観光客が増加しており、ホテルの建設ラッシュに湧いています。

ダイバーの間では、宮古島というと日本で一番地形が楽しめる海という認識が高く、その中でも以下の3つのポイントは特に人気が高く、宮古島で潜るダイバーからリクエストの多いスポットです。

  • 通り池
  • アントニオ・ガウディ
  • 魔王の宮殿

この記事では、次の4つの内容に関して、順番にご紹介します。

  1. 宮古島のダイビングスポットの特徴
  2. 人気の地形スポットに潜るのに必要なスキル
  3. 3大地形人気スポットの紹介
  4. 宮古島ダイビングの注意事項

1.宮古島のダイビングスポットに地形スポットが多い理由

元々、宮古島を含めた沖縄の島々(琉球列島)は、人類が登場する以前は中国大陸と続いていましたが、地殻変動や氷河期と間氷期を繰り返し、海水面が上下していました。

沖縄本島や石垣島は最も海水面が上昇したときでも、完全に水没することはありませんでしたが、宮古島は高い山がないことからわかるように、間氷期で海水面が上昇したときには、完全に海に沈み、浅い海となりました。

宮古島にハブがいない理由として、一度海に沈んだことが原因だとも言われています。
※沖縄本島と石垣島の最高地点はともに約500m、宮古島は約100m

宮古島周辺の海域では、浅くて温かい海が広がっていることから、サンゴ礁が発達し、サンゴが隆起して宮古島ができたため、宮古島や伊良部島・下地島といった島々は、サンゴに起因する石灰岩で島ができています。

鍾乳洞は石灰岩が侵食されて、できたことを知っている人も多いかと思いますが、石灰岩は徐々に水に溶かされて複雑な地形を作り出すのです。石垣島などでも石灰岩の多い島の南部に鍾乳洞がありますが、宮古島周辺の島々は、全域が鍾乳洞といっても良いほど、陸地や海中に洞窟が広がっているのです。

ボートから岸を見てもらうと、白砂のビーチ以外は切り立ったゴツゴツした岩肌をしているのに気づくと思います。その岩肌には、いたるところに空洞が空いています。

2.人気の地形スポットに潜るのに必要なスキル

シュノーケリングや体験ダイビングで参加する人の中にも、通り池などの地形スポットに行きたいと言う人がいますが、残念ながら3大地形スポットには、シュノーケリングや体験ダイビングで行くことはできません。

さらに、ライセンスを持っているダイバーであっても、スキルと経験がなければ3大地形スポットに潜ることは難しいです。※もちろん最終的には、ショップにいるダイブマスターの判断になります。

海中にあるトンネルやアーチは、穴が垂直に開いていたり、トンネルを通過していると、入口は水深20mだったのに、出口では水深10mのように深度差が大きいことがほとんどです。

そのため、水深が変わった時にも、自然と中性浮力が維持できるようにしておく必要があります。徐々に水深が浅くなっているのに、BCD内の空気が膨張しているのに気づかずにいると浮上してしまい、トンネル通過中に天井に頭をぶつけてしまうことがあります。

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潜降するときには、スムーズな圧平衡(耳抜き)ができる必要もあります。また、トンネルの中には、人が一人通るのがやっとという狭いところを通過することがあります。そんなときにも、自分が通りたいコースを予測して、そのとおりに動けるように、自由に潜れるようになっている必要があります。

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バタバタと暴れるようだと、尖った岩にぶつかって大きなケガをしてしまったり、砂が舞い上がってしまうと、浮遊物となることから、写真を撮っているダイバーの邪魔をすることにもなってしまいます。

3.宮古島の3大地形スポットの紹介と注意事項

宮古島の地形ダイビング①通り池

宮古島から伊良部大橋を渡って、伊良部島と繋がっている下地島の観光地として有名な「通り池」はダイバーにとっても憧れのスポットです。外洋から水中に空いた横穴を通過していくと、直径50mを超える池に浮上することができます。

池の水は淡水で緑っぽく、海の青い水とのコンストラストが美しく、池の水が濁っていれば濁っているほど、青と緑の色の差が強くでて、写真に撮ると幻想的に映ります。

横穴も池も大きいため、普通のコンパクトカメラでは全体を映すことができないので、SNSできれいに通り池を写している写真は、ワイドレンズを使っているか、広角レンズをつけた一眼レフカメラを使っています。

通り池を潜るときの注意点として、特に中性浮力がしっかり取れ、スムーズに潜降できることがあげられます。外洋から池に向かう横穴は、最上部で水深28mほど、下まで落ちると水深50m以上あります。

もし、下まで落ちてしまうと、とても危険です。一方、浮きすぎると上部の岩に、頭をぶつけてしまいます。一度、池で水面に浮上することが多く、その後に再潜降するときには、ロープのない自由潜降になるので、耳抜きを含めてスムーズに降りられるようにして、下まで降りずに中層で止まれるようにしなければいけません。

そのため、通り池に潜るのに、ダイブ本数50本としているダイビングショップが多くなっています。

宮古島の地形ダイビング②アントニオ・ガウディ

アントニオ・ガウディは、とにかく複雑な地形が組み合わさってできた洞窟で、下から見上げると7つの穴が空いている自然が作り出したとは思えないほど、幻想的なスポットです。洞窟自体は狭いので、こちらも7つの穴全てを撮影したい場合は、ワイドレンズがないと撮影することができません。

水底の水深35mのところから真上を見るのが、アントニオ・ガウディを最も美しく見えるスポットです。水深が深いため窒素がたまることと、残圧はこまめにチェックしなければなりません。

グループの人数が多いときには、待ち時間が長くなることがあるので、譲り合いの精神で、ベストポイントを交代するようにしてあげてください。

宮古島の地形ダイビング③魔王の宮殿

3大スポットの中では、少し人気が落ちるかもしれませんが、その分難易度が下がるので、上級者でなくても、潜りやすいのが特徴です。

最大水深は25mと浅くはないけれども、通り池やアントニオ・ガウディと比べたら浅めですし、洞窟の入口は水深15mほどと決して深くありません。狭いトンネルを抜けると広場に出るという、これぞ地形ダイビングの王道なので、3大スポットの中でも最初に潜っておきたいスポットです。

広場には「玉座の間」とか、「魔王の部屋」とか「魔王の寝室」のように名前がつけられている場所があるので、ダイビング前のブリーフィングを聞いて想像しておき、ダイビング中にガイドが書くスレートを見て体感すると、より感動が大きくなることでしょう。

通過するトンネルが真っ暗になるので、ライトは必須です。また、あちこちに空いた穴から刺してくる日光が幻想的に見えるので、魔王の宮殿が最も美しく見えるのは光がたくさん入るお昼頃がおすすめです。

宮古島の地形ダイビング④他の地形スポット

宮古島の3大地形スポットは、相応のダイビングスキルと経験がなければ、潜ることができなかったり、潜れたとしても十分に余裕を持って楽しめないものです。

しかし、宮古島の地形スポットは、前に説明した3つだけではなく、他にもたくさんあるのです。ダイナミックさでは負けるかもしれませんが、初心者でもきれいに写真を撮ることができたり、水深が浅いため長時間潜ることができるスポットもあります。

例えば、「ミニ通り池」は、本家本元の通り池のすぐ隣にあるスポットで、通り池と同じ様に横穴を抜けると池に浮上するスタイルは同じです。ミニという名前がついている通り、横穴の規模も池の規模の小さなもので、池の直径は10mほどです。

しかし、水面から入ってくる光が幻想的であったり、池への入口の穴の水深は10mと浅いので、落ち着いて潜れるとあって通り池よりも気に入っているダイバーもいるほどです。

また「Wアーチ」では、角度によってハートに見える穴があったり、伊良部島の北側にあるスポットなので、夏場のシーズンでも潜りやすい地形スポットです。こちらも最大水深で18mと初心者でも問題ない深さであることで初めて地形スポットに潜るダイバーにおすすめです。

4.宮古島ダイビングの注意事項

宮古島に潜りにいくダイバーから、ダイビングスポットのリクエストを取ると、その順位に変動はあるものの、ベスト3の顔ぶれは変わることがありません。「通り池」「アントニオ・ガウディ」「魔王の宮殿」がベスト3です。

「通り池」と「アントニオ・ガウディ」が1位を争い、「魔王の宮殿」が固定で第3位という感じです。

この3つのスポットに共通しているのは、人気以外に全体的に水深が深いことがあげられます。また、全て下地島の南西側にあるスポットなので、南風が吹く春から夏のシーズンには潜りにくく、北風が吹く秋から冬のシーズンの方が潜りやすい特徴もあります。

梅雨明け直後に宮古島にダイビングに行き、「通り池」に行きたいといっても、梅雨明け後1週間ほどは、「カーチバイ」と呼ばれる強めの南風が吹くため、これら3大地形スポットに潜ることは、ほぼ不可能です。

そのため、ここのスポットに高確率で潜るには、10月以降がおすすめです。地形スポットはウネリにも弱いので、運良く台風が来ないことも祈りましょう。

宮古島ダイビングのまとめ

日本中のダイバーが、宮古島の洞窟やアーチの中から見る、幻想的な青い海を楽しみにやってきますが、深度が深かったり、アップダウンが多かったりするので、しっかりとスキルアップしてから潜りにいくようにしましょう。

ただ、初心者ダイバーであっても十分楽しめる地形スポットもありますし、魚影が濃かったり、美しいサンゴがあったり、ウミガメが高確率で見られるスポットや、時にはマンタが登場するスポットも宮古島にはあります。

最初から人気ポイントで潜ることを考えずに、自分のレベルにあったスポットで楽しむようにしましょう。そして、スキルアップして自分に自信がついてから、この記事にあげている3大地形スポットをリクエストしてみてください。

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