【基礎編】基本のダイビングスキルを覚えよう。基礎スキル5選を解説

スキューバダイビングは、ルールさえ守れば、誰でも安全に楽しめるマリンレジャーです。一言で言うと、タンク1本背負うだけで、水中という未開拓の世界をのぞくことができるのです。そこにはテレビや映画でしか見られない「竜宮城」のようなシーンから、大型の魚が群れを成す大迫力の世界までを、実際にこの目で見ることができるのです。

今回は、水中世界をのぞけるスキューバダイビングを、安全に楽しむために必要な基本的なダイビングスキルを覚えていきましょう。

ダイビング基礎スキル①マスククリア

 

水中では視界の確保のために、マスクを着用します。マスクは陸上で顔にフィットするように調節はしますが、実際の場面では、水中にエントリーしたときや横を向いたとき等にマスクに水が入ってくることもありえます。

少しの量ならばそのままでも大きな問題はないのですが、水の量が増えて視界を遮るようなことがあれ、快適なダイビングはできませんし、安全面でも問題が起こります。 そこでマスクに入った水が少量の段階で、マスククリアをして、入ってきた水をマスクの外に出してあげましょう。

やることはとても簡単です。息を吸い、吐くときにマスクの上部を軽く手で押さえ、マスクの上部が動かないようにします。次に鼻から息をゆっくり吐きます。 このときマスクの上部は押さえていますので顔から離れることはなく、マスクの下部が吐いた息で浮き上がり、それに押し出されるように、水がマスク外に出ていきます。1回で十分なクリアができなかったときは、これを繰り返します。

コツとしては、鼻から息を吐くときに「ウーン」とハミングをするように音を出しながら行うことです。このスキルは水中でトラブルが起こったときに応用することができますので、講習の時にしっかりできるようにしておきましょう。その応用編は次回にお伝えします。

ダイビング基礎スキル ②フィンキック

 

フィンキックも早い段階で身に付けておきたいスキルです。間違ったキックを行うと、水中での推進力が全く違ってきます。初心者のころ、インストラクターと1回のフィンキックでの進み方が全然違うことに驚かされたことがあります。

海は時として流れが発生します。特にイソマグロやギンガメアジが群れる迫力あるポイントでは強い流れがよく起こります。その時、正しいフィンキックができていると、流れに逆らって泳ぐときの助けになりますので練習しておきましょう。

スキルとして、ゆっくり上下方向に動かす「縦キック」と、平泳ぎのように動かす「横キック」があります。最初に練習するのが縦キックです。

縦キック=バタ足と思われている方も多くおられますが、バタ足は小刻みに動かすのに対し、縦キックはゆっくり大きく動かします。フィンの足先で、たくさんの水をとらえる感覚で、足を動かすことを意識されたらいいと思います。2つのフィンで水を挟み込むような感覚で練習しましょう。

ポイントとしては、
・太ももを動かすこと
・膝を曲げないこと
・足首をしならせること

この3点に集中してみましょう。横キックもポイントは同じです。実際のどのようなフィンを購入したらいいか等は、器材編でお知らせします

ダイビング基礎スキル③耳抜き

 

水中は陸上と違い、水深を下げていくごとに水圧がかかってきます。特に鼓膜に水圧がかかると、耳が痛くなりますので、解消することが必要です。

この時に行うことが「耳抜き」です。耳抜きは1回だけ行うのではなく、1回のダイビングで何度も行う必要のあるスキルです。難しいスキルではないのでしっかりマスターしましょう

一般的なやり方は、マスクの上から鼻をつまんで、鼻から息がもれないようにし、息を吐くときに鼻をかむように鼻に息を通すようにしてください。その際、鼓膜が元に戻るときに「ブシュ」というような音が聞かれるはずです。痛みや圧から解放され耳が楽なればOKです

ポイントは「小まめに行うこと」です。耳に痛みを感じてからでは遅く、1回の耳抜きで解消されなければ初心者は焦りや不安を感じ、時に呼吸が乱れ、パニックになることすらあります。耳にちょっと圧を感じた段階ですぐに耳抜きを行いましょう。

エントリー直後から水深10mまでの間は、特に小まめに耳抜きを行うことをおすすめします。痛みを感じて無理な耳抜きをして鼻血を出したり、耳を痛めたりする例も多く見てきました。痛みを感じる前に行うことが重要です。

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ダイビング基礎スキル④ハンドシグナル

 

水中では常にレギュレーターをくわえていますので、会話ができません。ガイドは水中ボード等を持っていて、細かな指示は文字にして伝えてくれますが、ダイバーからガイドに緊急に伝えたいことがあったとき、ハンドシグナルが使えると便利です

・エアーがない

・息苦しい

・気分が悪い

このように体調がおかしくなった時は、ハンドシグナルで伝えるようにしましょう。ハンドシグナルは講習でも練習します。しかし指導団体やガイドによっても微妙に違うことがあります。

特にタンクの残圧を聞かれたときに、ハンドシグナルで自分の残圧をガイドに伝えるのですが、その際講習で習った通りにハンドシグナルで伝えると、伝わらないことがよくありました。潜る前にガイドとハンドシグナルに関して確認をしておくことをおすすめします。

ダイビング基礎スキル⑤中性浮力

初心者ダイバーが取得するスキルの中、最も難しいのがこの中性浮力でしょう。中性浮力がきちんと取れることにより、水中で自由に動くことができ、エアーの消費量を抑えることができます。

中性浮力とは、「浮きもしない沈みもしない」状態のことを言います。ダイビングでは浮きやすいウェットスーツの上に、重い機材を装着し、さらにウェイトというおもりも身に付けます。 この状態でBCに空気を入れたり出したりして調整し、浮きも沈みもしない状況を作り出すのです

中性浮力を取るコツとして

適正ウェイトを身に付ける

BCの操作を覚える

呼吸をしっかりする

ことが大切になりますが、ウェットスーツの種類や使用頻度、水深によって微妙に変わってきます。ですから1度中性浮力が取れたから終わりというわけではなく、臨機応変に調整する必要があるのです。

いつもダイビングで浮き気味になっている方が、それを避けるために重めのウェイトを身に付け、ボートからエントリーしたら勢いよく水底まで沈んでいった方。 深めの水深では中性浮力が取れていた方が浅瀬に戻ってきたときに、BCの操作ができず、水面まで浮き上がっていった方等を多く見てきました。場合によっては大きな事故につながってしまいます。

また、中性浮力が取れず沈み気味になったとき、サンゴの上に乗ってしまったり、砂地では砂を巻き上げ、生物の巣を壊してしまったりする等のトラブルが起こることもあります。環境にもよくありません

講習でも何度も練習するはずです。適正ウェイトで水深に合わせてBCに入れる空気を調節し、常にゆっくりとした呼吸をすることを心掛け、何度も練習してください。コントロールがうまくできるようになれば、中級ダイバーに近づくでしょう。

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以上、「基本のダイビングスキルを覚えよう」をお届けしました。基本をマスターすることで、様々なダイビングの場面で応用することができます。次回は「ダイビングスキルの応用編」をお伝えします。

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