【西伊豆】井田ブルーのダイビング!透明度の高さが魅力です

【西伊豆】井田ブルーのダイビング!透明度の高さが魅力です

西伊豆の横綱と呼ばれる大瀬崎(おせざき)から、さらに車で10分南下すると、西側を除いた三方を山に囲まれた小さな集落の井田があります。井田は「イダ」ではなく、「イタ」と濁らないで読みます。平成の市町村合併で沼津市になりましたが、人工的な音がほとんど聞こえない、のどかな集落です。

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井田はこの15年で、急激にダイバーの人気が上昇しているダイビングポイントで、従来は県道17号線から大瀬崎に降りるダイバーがほとんどでしたが、今では大瀬崎を通過して、井田に潜りにいくダイバーが続出しています。

ここでは、本記事では以下の3点をご紹介します。

  1. 今のように井田が人気になった理由5選
  2. 季節に応じた井田でのダイビングの楽しみ方
  3. 井田でのセルフダイビング

1.西伊豆の「井田」が人気になっている理由【5選】

井田は、伊豆半島のダイビングポイントの中でも都心から近いポイントのひとつですが、近いからだけでなく、人気になっている理由がいくつもあります。その理由をまとめると、次の5つのポイントにまとめることができます。

  • 環境省が認めたきれいな水質
  • いつ潜ってもたっぷりの魚影
  • 器材の運搬が短距離・短時間
  • 次々見つかるレア生物
  • 出入りがラクなエントリー口

井田が人気の理由①環境省も認めたきれいな水質

西伊豆の井田は小さいけれども海水浴場なので、夏場には家族連れをはじめとした、海水浴客が訪れます。環境省では毎年海水浴場の水質調査を実施していて、その結果をネットで公表しています。

化学的酸素要求量(COD)や大腸菌の数や透明度などを総合して、AAからA,B,C,不適に至るまで5段階で判定しています。井田海水浴場は調査開始以来ずっとAAをキープしています。

AAの評価が得られている海水浴場は、国内に数百箇所ありますが、その中でもCODが低ければ低いほど、水がきれいなことを表わすと言われています。井田は宮古島や石垣島といった沖縄の離島の海水浴場と並んで、1位を獲得するほどの水質の良さを誇っています。

井田が人気の理由②いつダイビングしてもたっぷりの魚影

井田のダイビングポイントの特徴は、エントリーして少しだけなだらかなゴロタがありますが、そこを超えるとすぐに深くなり、あっという間に水深30mに達します。それだけ外洋に面しているということで、透明度が高いだけでなく、魚が集まりやすい地形をしているのです。

ゴロタの上には、クロホシイシモチをはじめとした、テンジクダイの仲間が群れを作っていて、中層にはスズメダイやタカベが河のように流れていく光景は、井田では普通の景色です。しかし、他のビーチダイビングのポイントで、ここまで多くの魚に出会うことはできません。

井田が人気の理由③ダイビング器材の運搬が短距離・短時間

お隣にあるダイビングポイントの大瀬崎には、大きく分けると湾内と先端と外海の3つのポイントがあります。このうち、井田のように透明度が高いポイントはどこかというと外海になります。外海に潜りにいくときには、台車に器材とタンク(シリンダー)を載せて、現地サービスから少なくとも数百メートル、台車を押していかなければいけません。

一方、井田は駐車場からすぐの場所に、エントリー口があるので、台車に器材を載せてゴロゴロと長距離・長時間押していかなくてもよいという、手軽さがあります。

井田が人気の理由④次々と見つかる珍しい海の生き物

井田は潮通しがよいポイントで、生物が付きやすい岩やソフトコーラルや海藻がよく生育しているので、可愛いレア生物が次々と見つかるのが特徴です。

人気のある可愛い生物は、指の爪ほどのサイズだったり、周囲の環境にまぎれているので、なかなか自分で発見するのは難しいものです。井田は現地スタッフが積極的に生物探しをしていたり、多くのショップのインストラクターが見つけた生物を、共有して情報を提供してくれています。そのため、ガイド付きのダイビングを依頼すれば、次々と生物を紹介してもらえることでしょう。

井田が人気の理由⑤ダイビングのエントリー口が楽

こちらも大瀬崎の外海と比較になってしまうのですが、大瀬崎の外海のエントリー口はゴロタ上でフィンを脱ぎ履きしなければならず、波が当たりやすい地形なので、エントリー口でゴロゴロと転がっているダイバーの姿を、よく見かけます。

井田は、エントリー口に桟橋があり、波を遮ってくれて海況が穏やかになることが多く、桟橋沿いにエントリーやエキジットができるので、フィンの脱ぎ履きが簡単です。また、桟橋があるおかげで周囲には砂が堆積しやすく、ゴロタと違って転びにくいのも嬉しいところです(最近では台風などで荒れたあとは砂地になることが多いですが、場合によっては岩が剥き出しになることもあります)。

2.季節に応じた西伊豆「井田」の楽しみ方

井田の楽しみ方①レア生物と幼魚が可愛い春の井田

春は幼魚の季節といいますが、井田でも小さな魚が多くなる季節です。魚だけでなく、ウミウシも多くみられるようになるので、広い範囲を移動しながらダイビングをするというよりも、一箇所を決めて、じっくりと生物探しをするのが楽しい季節です。

春は一般的に海が濁ることが多いのですが、井田は潮通しがいいのが特徴なので、近隣のポイントよりも透明度が良いことも嬉しいところです。

井田の楽しみ方②魚影に巻かれる夏の井田

春に産まれた魚たちが成長して、大きな群れを作るのが夏の井田の見どころです。一匹だけでは大したことがない、スズメダイやタカベといった魚も何百、何千という群れになると圧巻です。その中に入り込むと、全視界が魚だけになるほど大きな群れを作ります。

夏は水温差が大きい時期で、それと同じく深度によって透明度にもばらつきがあります。例えば、水深15mより浅場は水温26度で透明度8m、それより深場は水温21度だけど透明度は20mになったりします。また、逆に黒潮の影響で浅場の方がキレイで暖かったりすることもあります。

深度変化が大きい井田では、浅場だけのダイビングを計画することもできますし、深場をメインとして、浅場にいる時間を短くすることもできます。浅場でもテンジクダイやソラスズメダイ、キンギョハナダイが群れていて、中層から深場にはスズメダイやタカベ、イサキなどが群れるので、どの水深であっても大きな群れが楽しめるのが、夏の井田のダイビングの楽しみとしてあげられます。

井田の楽しみ方③回遊魚に興奮する秋の井田

秋は伊豆ダイビングのベストシーズンと言われています。水温は高めをキープして、透明度が上昇し、魚が多くなるシーズンです。小魚が群れを作っていると、それを食べる大型の魚(カンパチやブリといった回遊魚)が登場してきます。

もともと、回遊魚は水深の深い外洋を泳いでいますが、外洋に面している井田は小魚群れが多いこともあって、秋にはたくさんの回遊魚を見ることができます。

カンパチやブリを見て、おいしそうだと思うものですけど、回遊魚が出てきたときには、小魚たちの群れの動きを見てください。回遊魚が捕食のために目にも止まらぬ早さで動き出すと、小魚たちは全て同じ方向を向き、群れの密度がこれまでよりもずっと濃くなります。そんな姿を見ていると、アドレナリンがたっぷり分泌されるダイビングになること間違いなし。

井田の楽しみ方④抜群の透明度になる冬の井田

冬は四季の中で最も透明度がよくなる季節です。西伊豆にある井田は、冬の季節風の北西風が吹くと荒れやすくなってしまいますが、穏やかになった冬の日に井田で潜ると、もともと透明度が高い井田なので、冬の透明度の良さが合わさって、透明度30mとなることも珍しくありません。

冬になって水温が下がってくると、一般的には魚の数は減ってきますが、井田ではゴロタの上のクロホシイシモチは一年中いてくれるし、タカベの群れは2月頃まではずっといてくれるので、透明度のよい青い海に背中の黄色いタカベの群れは映えます。

3.井田で挑戦!セルフダイビングのススメ

初心者ダイバーだったり、ベテランダイバーであっても井田が初めてだったり、数回しか井田で潜ったことがない人は、水中ガイドを頼んで潜ることをオススメします。経験豊富で何度も井田に潜ったことがあるダイバーが、初めてセルフダイビングをしてみたいと思ったときには、井田をおすすめします。オススメする理由を3つあげるとすると以下になります。

①潜り方や見どころを現地スタッフが丁寧に教えてくれる

②地形が単純なので迷いにくい

③特徴的な地形があるので生物探しがしやすい

井田の現地サービスでセルフダイビングの申込みをすると、マップ(ポイントマップ)とタブレットを使って、潜り方や人気の生物がいる場所を丁寧に教えてくれます。早朝から現地番スタッフが潜っているので、前日の情報ではなく、最新の当日の情報を受けられるので、その情報は確実です。

マップ(ポイントマップ)を見てもらうと、北に向かうと沖で、南に向かうと岸という単純な地形をしています。ゴロタと砂地の境目もはっきりしているので、今どこにいるのかわからなくても、ゴロタと砂地の境目を東に向かっていけば、桟橋にぶつかるのでエントリー口に戻ってくるのは簡単です。

井田は地形の特徴が簡単なだけでなく、水中には目印になるロープや構造物がたくさんあるので、ナビゲーションや生物探しの目安にしやすい特徴もあります。

砂地に向かってロープがまっすぐ伸びていて、ロープにはタツノイトコやミジンベニハゼが近くにいたり、上のマップ(ポイントマップ)では5の場所にある1辺が2mほどのケーソン(コンクリートブロック)にはソフトコーラルがついていて、スケロクウミタケハゼがよく見つかり、ケーソンを基準にして岸に2mのところに◯◯がいるといった目安にも使うことができます。

西伊豆の井田ダイビングのまとめ

東名高速道路の沼津インター、または新東名高速道路の沼津長泉インターから、1時間かからずに行くことができる西伊豆の井田ですが、高い透明度や圧倒的な魚影、それに可愛いレアの生物が見られるとあって、ダイバーから人気になっている理由がわかってもらえたと思います。

セルフダイビングのところでも述べていますが、井田の水中の地形は他のポイントと比較すると単純なので、何度かガイド付きで潜ってみたら、最初のセルフダイビングをするのに最適なダイビングポイントです。ガイドをつけないで潜ってみると、ガイド付きダイビングのありがたみを再認識することができますので、セルフダイビングにもチャレンジしてみてください。

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