ワイドもマクロもお任せ!西伊豆「田子」の贅沢なダイビング

ワイドもマクロもお任せ!西伊豆「田子」の贅沢なダイビング

西伊豆の田子は、夕日日本一宣言をしている西伊豆町の中でも、きれいな夕日が見られることから、夕日を撮影するフォトグラファーに人気のある場所です。

田子は、西伊豆の中でもやや南側にありますが、ここ数年で道路状況が一気に改善して、東京などの関東地方や名古屋方面からも、無理せず日帰りで潜りにいくことができるようになりました。

日帰りで潜りにいけるダイビングポイントですが、高いポテンシャルと、多彩なダイビングスタイルで潜ることができるため、はじめてボートダイビングを行う初心者ダイバーから、ログ本数が1000本を超えるようなベテランダイバーまで、高い人気を誇っているダイビングポイントです。

この記事では、田子が人気になっている理由と、豊富にあるダイビングポイントの魅力について紹介していきます。

1.田子が人気になっている理由【4選】

ホームグラウンドとして、毎週のように潜りにいくダイバーもいるほど、田子は人気の高いダイビングポイントですが、その人気の理由をまとめると、次の4つを上げる人が多いようです。

  1. 視界を埋め尽くすほどの魚影
  2. 伊豆では珍しいエダサンゴの群生
  3. 思いがけない大物との遭遇
  4. 沢山見つかる海の宝石ウミウシ

これ以外でも、ダイナミックな地形が楽しめることや、他のエリアがウネリなどで潜ることができないときでも田子ならば潜れることや、豊富なダイビングポイントがあることをあげる人もいます。

田子が人気になっている理由①視界を埋め尽くすほどの魚影

伊豆の海は、魚が少なくて退屈だと思っている人がいるかもしれませんが、実は沖縄やグアムなどの海よりもずっと魚は多いのです。その中でも田子は、ハナダイの仲間やタカベ・イサキをはじめとした群れが多く、初心者でも潜れる穏やかな湾内のポイントでも、スズメダイやカマスがたくさんいて、その密度に圧倒されるほどです。

田子が人気になっている理由②伊豆では珍しいエダサンゴの群生

サンゴは常夏の島にいかないと見られないと思うかもしれませんが、サンゴは南国以外にもあります。伊豆にももちろん、多くのサンゴが生息していますが、伊豆で多いサンゴはソフトコーラルと呼ばれる、その名の通り柔らかいサンゴがメインです。

しかし、田子ではソフトコーラルだけでなく、ヒメエダミドリイシやエンタクミドリイシという、硬いサンゴのハードコーラルの群生も見ることができます。

田子が人気になっている理由③思いがけない大物との遭遇

ダイバーの憧れというと、やはりサメやマンタなどの大物でしょう。確実に見られる訳ではありませんが、田子ではハンマーヘッドシャークやマンボウの目撃例が多数あります。予想せずに現れる大物の登場はアドレナリン大爆発のダイビングになるでしょう。また、カンパチ、ワラサ、シイラといった大型回遊魚は夏から秋にかけて高確率で見ることができます。

田子が人気になっている理由④沢山見つかる海の宝石ウミウシ

湾内と外海ではウミウシが多いエリアがあって、そのエリアに張り付くように、じっくりと探していくと、多くのウミウシを見つけることができます。また、湾内と外海では、海況が異なることから、異なる環境に生息する多種類のウミウシを見つけることができます。

2.田子の人気ダイビングスポット【5選】

田子には、10を超える数のダイビングスポットがありますが、ほぼ全てがボート・ダイブのポイントです。そのダイビングスポットを大きく分けると、穏やかな海況で初心者もOKな「湾内」と、流れがあることが多くダイナミックな「外海」に分かれます。

田子のダイビングスポットの中でも、特に人気のあるダイビングスポットの内、5つについて紹介します。

田子の人気ダイビングスポット①フトネ(外海)

田子が誇るスーパーポイントのフトネは、ダイビングサービスセンターやダイビングショップによっては、「沖のフト根」とか、漢字で「太根」と呼ばれることもある、外海のポイントです。

フトネの魅力は、ここは本当に伊豆かと思えるほど、怒涛の魚影に囲まれる体験ができることです。フトネは、水深45m位から8mまで立ち上がる塔のような根と、そのすぐ北側にある最も浅いところで水深18mの横に長い根があり、ダイビングエリアとしては決して広くはありません。

水温が低いとき以外は、浅場から深場までハナダイの群れで覆い尽くされていて、水がオレンジ色に見えるほどの光景は、世界中のダイビングスポットでも、なかなかありません。

浅いところにはキンギョハナダイが見えないほど密集し、水深20mを超えるとサクラダイが群れをなし、深場にいけばスジハナダイ・ナガハナダイ・シロオビハナダイといったレアなハナダイも見ることができます。

根からやや離れたところには、タカベやイサキの群れが渦を巻き、そこに向かってカンパチやワラサ、それに夏場にはシイラといった捕食魚も回ってきます。フトネでは、圧倒的な魚影を眺めるダイビングスタイルになることが多いですが、じっくり探すと湾内とは異なるウミウシや、巨大なソウシカエルアンコウがいることもあります。

フトネは、水深が深く、強い流れが発生することも多く、ウネリの影響も強く受けることが多いので、ライセンスを取得したばかりのダイバーには、おすすめすることはできないダイビングスポットです。しかし、経験を積んだダイバーは、一度フトネでのダイビングを経験すると、病みつきになること間違いなしです。

田子の人気ダイビングスポット②沖の島(外海)

フトネと並ぶ田子の外海にあるダイナミックなポイントが、沖の島です。フトネは比較的狭いエリアに魚影が集中して集まっているのに対し、沖の島は大中小の3つの根で構成された、長さ100mを超える大きな複雑な地形のポイントです。

沖の島も外洋のポイントなので、流れが出やすく、流れの当たる面にはハナダイも多いですが、スズメダイやイサキやタカベの数はフトネ以上になることも多いです。

根と根の間の水路には、ハタンポの群れも多く、夏から秋の午後になると、大きなハマフエフキが数十匹群れる光景は圧巻です。ときには、ハンマーヘッドシャークやマンボウなどの大物と遭遇することもあります。

沖の島も流れが出やすいポイントなので、初心者向けのダイビングスポットではなく、大きな根の北と南にブイがあるため、流れがあるときにはブイからブイにドリフトダイビングで潜ることもあります。

田子の人気ダイビングスポット③白崎(湾内)

ここまで記述した2つのポイントは、どちらも中級者以上のダイバー向けの外海のポイントですが、白崎は流れも波もほとんどない、初心者でも安心して潜れる湾内のポイントです。

湾内のポイントの中でも港に近く、台風が近くにあったり、強い西風が吹いて西伊豆全体がクローズになっていたとしても、ほぼ潜ることができるダイビングスポットです。

白崎は穏やかなポイントですが、季節に応じたベテランダイバーも満足させる、見どころがあるダイビングスポットです。季節を問わずに見られる見どころとして、伊豆では珍しいハードコーラル(ヒメエダミドリイシ)の群生があります。

伊豆のサンゴというと、ソフトコーラル(ウミトサカやウミウチワなど)がメインですが、白崎では水深5~10mのところにハードコーラルの群生があり、その上にはソラスズメダイが群れていると、伊豆とは思えない光景が広がっています。

秋から冬には、ハードコーラルの間に季節来遊魚と呼ばれる、チョウチョウウオの仲間が現れます。春になると、ウミウシが大量発生し、ハードコーラルの周りにはホンダワラなどの海藻が水面に至るまで繁栄して、サンゴのところだけ海藻がないため、迷路のようなダイビングが楽しめます。

初夏にはトビエイが舞い、水温が上がる夏から秋にはカマスがトルネードになったりと、季節に応じた様々な楽しみがあります。

白崎は、深く行こうと思えば水深30m以上にすぐに行くことができますが、急に深くなることもないので、初心者でも問題なく潜れます。

しかし、海底が細かな砂なので、舞い上がりやすく、潮の出入りが少ないことから、透明度があまりよくないことが多いので、ガイドやインストラクターの位置を、こまめに確認することを忘れないようにしてください。

また、ハードコーラルの群生は、とても貴重なものなので、上に乗らないようにして、どうしても中性浮力が取れないときには、サンゴの周りに着底して観察するようにしましょう。

田子の人気ダイビングスポット④弁天島(湾内)

弁天島も、田子の湾内のダイビングスポットですが、最も外海に近いため、垂直に切り立った壁が多く、ダイナミックなダイビングを楽しむことができます。外洋に近いとはいえ湾内のポイントなので、流れもなく、白崎よりも浅いところから魚が多いので、初めてボートダイビングをするようなダイバーには最適なポイントです。

弁天島は、1つのポイントでも様々な楽しみ方をすることができ、浅場ではソラスズメダイが水を真っ青に染め、中層にはスズメダイが河のように流れていきます。沖に出ると広い砂地が広がっていてネジリンボウが見つかったり、岩場ではイシダイなどの根付きの魚を見ることができます。

田子の人気ダイビングスポット⑤田子島裏(外海・限定ポイント)

最後に紹介するのは、毎年5月中旬から9月中旬までオープンになる限定ポイントの田子島裏です。田子島裏は外海と湾内で区分けすると、外海になりますが、比較的流れが弱く、水深の急激な変化もないことから、海況さえ穏やかであれば、初心者から潜れるダイビングスポットです。

田子島裏は、1年のうち4ヶ月しかオープンしていないということもあって、ソフトコーラルがとても元気!人の背丈位あるウミウチワがモサモサとしています。魚影は北からの流れが少しでも入れば、タカベやイサキがたくさん集まってきます。

しかし、逆の流れになってしまうと、他のポイントの魚影が多いこともあって、寂しく感じてしまうかもしれません。水深15mより深くになると、ソフトコーラルがたくさんありますが、浅いところではエンタクミドリイシというハードコーラルが年々成長していて、数を増やしています。

田子島裏でのダイビングは、潜降ロープを使って、水深10m位のところに降りて、ソフトコーラルがきれいなところをフラフラと流しながら、徐々に水深を上げていって、水深5m位の岩のところで安全停止をして、ロープのないところで浮上する、ぷちドリフトダイビングをすることがほとんどです。ドリフトダイブといっても、流れが強いことはほとんどないので、初心者でも問題なく潜ることができます。

西伊豆「田子」のダイビングまとめ

田子には、この記事で紹介した以外にも沢山のポイントがあります。また、同じポイントでも何度潜っても飽きることがない、圧倒的な魚影とダイナミックな地形やサンゴ、それに多種類の生物を見ることができます。

どんなレベルのダイバーでも、どんな興味を持ったダイバーが潜ったとしても、きっと満足できるダイビングができるので、田子をホームグラウンドとして、何度も潜りにいってみてください。

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