ダイビングを始めたら出会ってみたい!海の生き物特集2

ダイビングを始めたら出会ってみたい!海の生き物特集2

前回の、「ダイビングを始めたら出会ってみたい生物~大物編」はいかがだったでしょうか?

ダイビングを始めたら出会ってみたい!海の生き物特集1

ダイビングを始めたら出会ってみたい!海の生き物特集1 ダイビングを始めたら、最初は見るもの全てが珍しいと思うでしょう。 海の青さに驚き、差し込む太陽に感動するなど、潜っているだけで楽しいはずです。 しかし、少しずつ海に慣れてきて、ダイ[…]

私自身が実際に出会って興奮した生物を中心にお伝えさせていただきました。写真も全て私自身が写したものです。迫力が伝わっていたなら嬉しいです。

でもダイバーの中には、「大きい迫力あるものより、小さくて可愛らしい方がいい」とか、「カラフルなインスタ映えする生物が見たい」という方もいらっしゃるでしょう。水中写真を撮る方にも小さな生物を好む「マクロ派」がたくさんいらっしゃいます。実は私も長い間マクロ派だったのです。

そこで今回は、「海で出会ってほしい生物~その2」として、「小さな生物」についてまとめてみました。愛くるしい生物やブサカワ系の生物、あるいはカラフルな生物等、海の中は個性派ぞろいです。ぜひ見ていただきたいのです。

前回のその1同様、あくまでも個人的な思いで選んだものです。ダイビングの計画の参考にしていただけたらと思います。ランキング形式ではありません。ここで挙げた生物はどれも同じくらい出会ってほしい生物だと思って見てください。

★小さい生物編

ダイビングを始めたら会いたい!小さい生物①クマノミ類

沖縄中心 に見られていた魚でしたが、今では温暖化の影響でしょうか、日本本土の海でも越冬して普通に見られるようになってきた魚です。

イソギンチャクと共生することで身を守ることで知られ、元々その愛嬌のあるルックスで人気がある魚でしたが、ディズニー映画での「ニモ」ブームでさらに人気が高まり、クマノミの名前は知らなくても「ニモ」と言えば理解してもらえるほど認知度が高いです。ダイビングをしない人でも、この魚は知っている人が多いのではないでしょうか。

クマノミは基本「オス」で、その群れの中で1番大きなものが「メス」に性転換します。メスがいなくなったら、オスの中から1番大きなものがメスに変わるのです。変わった生態を持っている「不思議ちゃん」といっていいでしょう。

日本国内で見られるクマノミは6種類です。
・クマノミ
・ハマクマノミ
・カクレクマノミ
・ハナビラクマノミ
・セジロクマノミ
・トウアカクマノミ

海外には「固有種」と言われるその付近でしか見ることができないクマノミもいます。この「固有種」に会いに海外に出かける方もいらっしゃいます。

クマノミは、顔のドアップを写してもよし、イソギンチャクと絡めてもよし、ダイバーや海と一緒に撮ってよしと、実に奥が深い被写体なのです。何回写しても、なかなか納得できる写真が撮れないなあと、私も毎回悪戦苦闘しています。

日本だけでなく、世界の海で見てほしい魚です。

ダイビングを始めたら会いたい!小さい生物②ピグミーシーホース

体長が1cmほどの小さなタツノオトシゴの仲間です。写真のようにウミウチワに住んでいて、見事なほどの擬態で簡単には見つけられません。ウミウチワのポリプが開いているときは尚更で、見つけきれずにエキジットすることもあるほどです。

この魚は主に赤・ピンク・黄色の3種類がよく見られています。水深は深めの場所を好み、多くの場合は30m以深でよく見られます。見つけるまで時間がかかり、写すのにも時間がかかる写真派ダイバーには手ごわい相手ですが、正面からこのブサカワ系の顔が写せたときは嬉しさを感じます。

国内で見られる場所
・沖縄本島の「残波岬」
・沖縄離島の伊江島の「釣り場」
・高知県の「鵜来島」

ぜひ愛くるしいこの魚を見に行ってほしいです。

ダイビングを始めたら会いたい!小さい生物③ウミウシ

ウミウシは「海の宝石」とも呼ばれ、フォルムがきれいな個体や、模様が不思議な個体、またカラフルな個体など、いろんな種類を見ることができます。ウミウシはどの海にも生息していますので、遠くまで行く必要がありません。まさに「会いに行ける」海のアイドルと言っていいでしょう。

実はウミウシは「貝殻を持たない貝の仲間」に分類されます。陸上なら「ナメクジ」にあたるのです。こう伝えたら「気持ち悪い」ようにも感じるかもしれませんが、写真のように、色がきれいで、ドット模様、さらにかわいらしく見える個体がとても多いのです。

「ウミウシハンター」と呼ばれる「ウミウシだけ見たらいい」というダイバーも女性を中心にとても多いです。ウミウシを専門にガイドするショップもあるほどです。

ウミウシは謎の多い生物で、毎年「見たことのない種類」が数多く報告されています。もしかしたらあなたも新種のウミウシを見つけるかもしれません。ウミウシは浅い所から深いところまでいますし、サンゴ礁にも砂地にも泥場にも、その環境を好む種類が数多くいます。お宝発見気分で宝探しのダイビングをしても面白いかもしれません。

ウミウシの中でも1番人気なのがこの「ウデフリツノザヤウミウシ」です。ポケモンのキャラクターに似ていることから「ピカチューウミウシ」と呼ばれています。このウミウシは沖縄では少なく、本土の海に多くいます。動きが遅く、写真も撮りやすいので、お近くの海にマイアイドルを探しに行ってみてほしいです。

ダイビングを始めたら会いたい!小さい生物④ダンゴウオ

寒さに弱い私なので、どうしても温かい海に住む生物が中心となってしまいますが、ダンゴウオだけは別格で、水温が10度以下の海でも会いに行くほど魅力ある魚です。

何と言ってもこの容姿がたまりません。ドラクエの「スライム」を彷彿させるようなボディは1度見たら虜になるダイバーも少なくないでしょう。成長してもせいぜい2cmほどの小さな魚が、寒い海の波間に揺られながら、海藻の裏に引っ付いていたり、岩場に張り付いていたりするのです。その可愛さは言葉にできません。

ダイビングの際、寒さ対策は絶対に必要になります。ドライスーツがなければ水中で耐えられないと思いますので、それ相応の覚悟をしてから見に行かれてください。

東日本の方でももちろん見られますし、以下の場所でも見られます。
・福井県の越前の海
・鳥取県の田後
・山口県の青海島
・兵庫県の竹野海岸
などでも寒い時期に見られます。

海が荒れる時期ですので、天候をよく確認してから予約してダイビングを楽しまれてほしいです。

ダイビングを始めたら会いたい!小さい生物⑤シコンハタタテハゼ

私的には「深場のアイドル」です。水深35mぐらいのところを好み、紫のボディがとてもきれいなハゼです。水深が深いため初心者では会いに行くことは難しいです。ある程度経験を積んでからぜひ会いに行ってほしいです。

近寄りすぎると、勢いよく巣穴に逃げ込んでしまいます。そうすると再度出てくるまで待つことができません。水深が深いので粘ると減圧症の危険が伴うからです。ですからこの魚に会いに行くときは「絶対に引っ込ませない」ように観察したり撮影したりすることが求められます。

国内で見られる場所
・沖縄本島の恩納村
・与那国島の「ダンヌドロップ」海外で見られる場所
・パラオの「ブルーコーナー」
・サイパンの「グロット」
・グアムの「ブルーホール」

簡単には会いに行けないアイドルですが、必ず会いに行ってほしいです。

ダイビングを始めたら会いたい!小さい生物⑥ナンヨウハギ

この魚もクマノミと同じで、魚の名前は知らなくても「ドリー」と言えばわかる方も多いのではないでしょうか。青いボディがとてもきれいなダイバーに人気がある魚です。サンゴが元気なポイントなら見られるチャンスが高くなります。「ニモ」と合わせて見ていただけると、水中で映画の世界に浸れることは間違いないでしょう。

ダイビングを始めたら会いたい!小さい生物⑦カエルアンコウ

ブサカワ系の代表格と言っていいでしょう。その愛嬌ある表情からダイバーには根強い人気があります。「カエルアンコウ」にはたくさんの種類がいて、小さくて可愛らしい「イロカエルアンコウ」のような種類もいれば、成魚はバレーボールぐらいの大きさになる「オオモンカエルアンコウ」のような種類もいるのです。

さらに同じ種類のカエルアンコウでも色のバリエーションが豊富なのです。写真のように白もいれば、赤、オレンジ、ピンク、黒、茶色など見かけます。見れば見るほど、知れば知るほど不思議な魚なのです。

この魚は「釣り」をすることでも有名です。餌をとるときに頭についている「エスカ」という部分を振り回します。その先にはフサフサして疑似餌がついていて、それに引き寄せられた小魚をパクリと目にもとまらぬ速さで食べるのです。ちょうど人間がルアーを使って釣りをするのと同じです。エスカを振り回す姿は海でもしばしば見られますので、ぜひ見てほしいです。

日本各地で出会えますし、海外にも変わった模様のカエルアンコウがいます。ブサカワ系に癒されてください。

ダイビングを始めたら会いたい!小さい生物⑧ハナヒゲウツボ

ウツボと言えば、怖い顔をして獰猛でというような「恐ろしい魚」をイメージすることでしょう。しかしこの「ハナヒゲウツボ」は青いボディのかわいいウツボなのです。写真は私を威嚇しているのですが、全然怖くなくて、むしろかわいくて笑ってしまうほどです。

思わず「もっと怒っていいよ」と声をかけたくなりました。ウツボのイメージがコロッと変わってしまうことでしょう。

基本的にウツボは憶病な生物です。ハナヒゲウツボも同じで、カメラを近づけると巣穴にすぐ引っ込んでしまいます。いわゆる「ビビり」の魚です。成魚はご覧のように青いのですが、幼魚は真っ黒に黄色のラインが入っていて、その違いにはきっとビックリするのではないでしょうか。幼魚も見てほしいです。

国内で見られる場所
・沖縄離島の慶良間諸島
・沖縄本島周辺の水納島や名護
・八重山諸島の黒島 など

かわいいウツボに会いに行ってみてください。

ダイビングを始めたら会いたい!小さい生物⑨ボロカサゴ

ずっと見たくて見たくて仕方なかった魚でしたが、近年ようやく見ることができました。体中にぼろ布をまとったように見えるこの魚は超が付くほどレアな魚でめったにお目にかかれません。まさに一期一会の出会いに期待するしかないのです。

とにかく色や模様がきれいです。初めて見たときは興奮してしまい、手が震えたほどでした。あの感動が忘れられないです。出会えたら超ラッキーだと思ってください。それくらい出会う価値のある魚なのです。

国内で見られるチャンスのある場所
・伊豆方面でも目撃事例あり
・和歌山の串本やみなべ
・高知県の鵜来島
・沖縄本島の真栄田岬 など

リクエストしても、なかなか出てきてくれませんので、気長にいつかどこかで出会ってほしい魚です。

ダイビングを始めたら会いたい!小さい生物⑩フリソデエビ

ハサミの下の部分が長く、まるで振袖のように見えることから名付けられたエビです。ヒトデを主食として、見つけたら巣穴に引き込み、すごい食欲で食べるのです。

そんな獰猛なエビですが、ご覧の通り派手できれいなのでダイバーには人気があります。岩陰や岩の裏に潜んでいることが多いので、そういうところを探してみると出会えるかもしれません。きっとお食事風景を見せてくれるでしょう。

ダイビングを始めたら会いたい!海の生き物小さな生物編まとめ

以上、ダイビングを始めたなら出会ってほしい生物の小さな生物編をお伝えしました。とても10個では書ききれません。まだまだであってほしい生物はたくさんいます。

ざっと挙げてみると、

1.ミジンベニハゼ
2.ナカモトイロワケハゼ
3.サクラコシオリエビ
4.カエルウオの仲間
5.かわいいコケギンポ達
6.ホワイトソックス
7.バイオレットボクサーシュリンプ
8.メガネウオ

・・・ありすぎます。

今回は10個お伝えしましたが、海にはまだまだ魅力的な生物がいっぱいいるので、続きはまた別の機会にお伝えします。たくさんのアイドル達に会いに行ってくださいね。

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