ダイビング器材には、BCやレギュレーター等の「重器材」と、それ以外のマスクやフィン等の「軽器材」があります。 通常ダイバーになると、まずは軽器材から買い揃えていき、後に重器材をそろえていきます。
重器材まで全てそろえても、海外へダイビングに行く際は、荷物を軽くするために軽器材だけ日本から持っていき、重器材は現地でレンタルするというダイバーも多くいます。
今回はダイビング器材の中で、「軽器材」に絞って器材の特徴や選び方についてまとめていきます。
目次
ダイビングに必要な軽器材①マスク
プールで泳ぐ際に、肉眼ではぼやけて見えるが、ゴーグルを使うとハッキリと見えることはあなたも経験したことがあるでしょう。それと同じで、マスクを着けることで視界がハッキリとし、快適なダイビングをすることができます。
ゴーグルとの違いは、主に下記の2点です。 ・水圧に強く作られていること ・鼻まで覆われていること 特に鼻まで覆われていることで、ダイビング中にマスクに水が入ってくることを防ぐため、快適で視界良好に潜れるよう工夫されています。
マスクには実に色々なものがあります。形状から区別すると、 ・メガネのように鼻を境目に2枚のレンズで作られている「2眼マスク」 ・境目がなく1枚のレンズで作られている「1眼マスク」 ・複数枚のレンズで作られている「マルチマスク」 の3種がダイビングショップで販売されています。
素材から区別すると、鼻を覆う部分がゴム製のものとシリコン製のものがあります。メーカーによって特徴が違ってきますので、実際にご自身の顔に当ててみて、無駄な隙間がないか、耳抜きの時に鼻をつまみやすいか等をチェックすることが大切です。
もし、ゴムに対しアレルギーをお持ちなら、ゴム製のマスクは使用しない方がいいでしょう。
他の器材はレンタルできても、マスクだけはレンタルでは見えなくなるという方もけっこう多いぐらい、デリケートな器材だと言えます。 大きさや形状等を実際に見て、着けてみて気持ちいい感覚を大切にしてほしいです。
ダイビングに必要な軽器材②スノーケル
実際にダイビングではほとんど不要な器材なので、着けないで潜る方も多いのですが、もし流されたときに、水面移動する際に必要となったり、ビーチダイビングで海岸からダイビングポイントまで泳いで移動する際に使用したりしますので、特に初心者の方は着けて潜るといいでしょう。
ボートダイビングの休憩中にスノーケリングをする時は必需品となります。
スノーケルも各メーカーから様々な商品が販売されています。波が来てもスノーケルに水が入りにくいタイプや、水が入ってきても排水弁が付いているものなど様々です。カラフルな物も増えました。
実際に店頭でくわえてみることができませんので、講習中に使ったものと同じスノーケルにする、ガイドにおすすめ商品を聞くようにして決めれば間違いはないと思います。
初心者は太くて長いものでない方がいいと個人的には思います。水は入ったとき、1回の呼吸で排水ができない場合もあり、慌てて水を飲むことがあるかもしれないからです。
ダイビングに必要な軽器材③フィン
フィンを履いた時と履かない時で実際に水面を泳いでみると、その推進力の差にきっと驚くと思います。それぐらいダイビングの時にはフィンに助けられます。 流れに逆らって泳ぐこともフィンがあるからこそできることです。快適なダイビングをするには重要視していい器材です。
フィンは材質による違いや装着方法による違い、さらには形状の違うものなど様々な種類のものが販売されています。
材質でみると、重いが推進力の大きい「ゴム製フィン」、軽いが推進力がやや小さい「プラスティックフィン」等があります。重くて推進力のあるフィンは当然のことながら脚力が必要となります。
装着方法でみると、踵部のストラップでフィット感を調整できる「ストラップフィン」と、フィンそのものがブーツ状になり、そのまま履くように装着する「フルフットタイプ」があります。
形状から見ると、フィンの先が2つに割れている「先割れフィン」や水をとらえる部分がかなり長い「ロングフィン」等があります。
性別、脚力、ダイビングスタイル等を考えて、スタッフやガイドの意見を参考にされたらいいかと思います。推進力が欲しい場合は、重いですがゴム製フィンを使うのが良いです。 また、ビーチダイビングの時はストラップタイプのフィンを、ボートダイビングの時はフルフットタイプのフィンを使うのがおすすめです。女性で体力的な問題から、プラスティック製のストラップフィンと、レディースのゴム製のフルフットフィンを使い分けている方もいらっしゃいます。
ダイビングに必要な軽器材④グローブ
グローブは主に保温のためと、けがや生物との接触から保護するための2つの目的から使用されています。 しかし近年、モルディブなど一部の外国では「生物保護」の観点から、グローブを禁止するスポットも増えてきています。グローブがあるために、簡単にサンゴや生物に触れてしまうダイバーもいるからです。
逆に、例えばパラオ島では、根につかまって魚を見るダイビングポイントもあります。その時には、岩等をつかむ必要がでてきます。こうしたポイントではグローブは必需品となりますので、揃えておく方がいいでしょう。
グローブも様々な種類があり、指先まで覆われているタイプや、カメラ操作がしやすいように一部指先が覆われていないタイプ、さらには寒冷地用の分厚いグローブなどがあります。実際に装着してみて決められることをおすすめします。
ダイビングに必要な軽器材⑤ブーツ
グローブと同じで、足の保温と保護を目的としています。ストラップフィンを使う場合はブーツを履きますが、フルフットフィンを使うときはブーツを履かない方も多いです。ビーチダイビングの時は海岸を歩くことも多いので、必ずブーツを使用した方が良いと思います。
ブーツも様々なものがあります。厚さが3ミリ、5ミリがありますし、底の形状も商品によって違います。ファスナーがあるもの、ないものがありますし、くるぶし辺りまで長さがあるものと、もっと短いもの等いろいろです。ご自身のニーズに合ったものを選ぶようにしてください。
ダイビングに必要な軽器材⑥ウェットスーツ
ウェットスーツはレンタルではなく、ぜひ自分の体に合ったものをオーダーすることをおすすめします。 レンタルではどうしても体にフィットせず、ある部分がきつく感じたり、逆に緩すぎて水中で水が入る寒さを感じたりする等、快適なダイビングを楽しめないだけでなく、ストレスを感じてしまうからです。 ガイドに聞くと、オーダースーツを安く作る方法を教えてくれる場合もありますので、聞いてみたらいいでしょう。
ウェットスーツにもいろいろなものがあります。着やすいですが、乾きにくい素材の「ジャージ」や着にくいですが、水をはじき乾燥のはやい「スキンタイプ」などがあります。オーダーなら片面ジャージで片面スキンといったこともできますし、寒さに弱い方なら、裏起毛タイプのものもあります。
また、厚さによっても違います。通常は3ミリ、5ミリが一般的です。また、スーツの形状としてワンピース型とツーピース型があります。南の暖かい海だけで潜るのか、あるいは水温の低い時期でも潜るのか等、ご自身のスタイルに合ったスーツを選ばれるといいでしょう。
写真を撮るのが好きな方は、水中でジッとしている時間が長いため、5ミリ以上の厚さがあるものが良いかもしれません。 夏場は5ミリのワンピース、長袖でジャージのスーツを着用し、秋口や春先は6.5ミリのツーピースで長袖、スムーススキンのスーツを着るといった使い分けもおすすめです。
頻繁に潜られる方は夏用と春秋用、またはウェットスーツとは別に「ドライスーツ」も作られたほうがいいと思います。
ダイビングに必要な軽器材のまとめ
以上、軽器材についてお伝えしました、他にも持っておいた方がいいものとして、濡れた器材をひとまとめにしておける「メッシュバック」、寒さから頭部を守る「フード」等もあります。次回は重器材について説明します。
前回のその1では「軽器材」についてお伝えしましたが、今回のその2では「重器材」とダイビングコンピューターについてお伝えしていきます。 重器材とダイビングコンピューターは、軽器材比べて値段も高く、一気にはそろえられない方もおられると思いま[…]