快適なダイビングをしよう!おすすめのダイビングフィンと選び方をご紹介

快適なダイビングをしよう!おすすめのダイビングフィンと選び方を紹介

レンタル器材を使ってダイビングをするときには、渡されたダイビングフィンを使うだけなので、使っているダイビングフィンが扱いやすいのか、よく進むのかを意識することはありません。

しかし、インストラクターやベテランダイバーになると、お気に入りのダイビングフィンが決まっていて、目的(ガッツリ潜るのか、まったり潜るのかなど)に応じて、ダイビングフィンを使い分けることも多いものです。

ダイビング器材のカタログを見ると、そのダイビングフィンの良いところだけが記載されていて、一番高額のものなら絶対だと思ったら、重くて固くて、使いこなせないなんてことになってしまいます。

ダイビングフィンを購入するときは、実際に自分の潜り方を見ているインストラクターが、その人に最も適したダイビングフィンを紹介してもらって、そして安価に買えれば、理想的です。

もし知人にベテランダイバーがいたとしても、ダイビングフィン比較ができるほど、多くのダイビングフィンを使い分けたことはなく、知人のダイバーが勧めるダイビングフィンや、中古で譲ってくれるダイビングフィンが、誰にでも使いやすいわけではありません。

この記事では、素材や形によるフィンの特徴について説明し、レベルに応じた、おすすめのフィンを紹介していきます。

目次

.目的によるダイビングフィンの選び方

水の中でダイビングフィンを使うのは、スキューバ・ダイビングだけでなく、シュノーケリングやスキンダイビングやフリーダイビングなどがあります。

シュノーケリングの場合は、ほとんどの時間で水面移動にダイビングフィンを使うので、水面が泳ぎやすくて方向転換もしやすく、細かなフィンキックでも効率よく進むことができる、柔らかくて軽いプラスチックやゴム製のダイビングフィンが向いていて、長さは短い方がよいでしょう。

一方、スキンダイビングやフリーダイビングでは、長い時間息が止められるようにゆったりした動きで、最大の推進力を得るために長いダイビングフィンが向いています。水中モデルとしても、長いダイビングフィンの方が見栄えがよく見えます。

このように、どのような活動をするかによって、おすすめのダイビングフィンは変わってきます。この記事では、スキューバ・ダイビングに使うフィンを中心に記述していきます。

.ダイビングフィンの素材による特徴

ダイビングフィンに使われている素材を大きく分けると、ゴムとプラスチック(樹脂)2つに分かれます。絶対にどちらのダイビングフィンでなければいけないということはありませんので、レベルと用途によって選ぶと良いでしょう。

また少数ではありますが、ウレタン製のダイビングフィンもあるので、ここではゴム、プラスチック、そしてウレタンのダイビングフィンそれぞれの特徴について説明していきます。

ダイビングフィンの素材による特徴①ゴム素材

ゴムは、素材そのものに自然な弾力があるので、大きくゆったりとしたフィンキックをすると効率よく進むことができます。ゴムの質や使用量を変えることによって、ダイビングフィンの硬さを自由に変えることができる特徴があります。

欧米では工業製品のゴムの使用量に制限があるため、ゴム・フィンを作るメーカーはありません。しかし、日本ではその制限がないため、ゴム・フィンを選ぶことが可能です。

ゴム・フィンを作るときには、金属の型に流し込んで作ることになるので、複雑な形状にすることはできず、型に流し込んだときに、型全体に上手くゴムが回らないと、不良品になってしまうため、歩留まり率が高くなってしまいます。

また、日本国内だけの販売になってしまうため、製造原価が高くなってしまうマイナス点があります。

ダイビングフィンの素材による特徴②プラスチック(樹脂)

プラスチック(樹脂)は複雑な成形をすることができるので、人間工学に基づいた設計が可能で、また軽いといった特徴があります。何回のフィンキックで何mの距離を進むかのような実験をすると、優れた設計がされたプラスチック・フィンは、ゴム・フィンよりも良い結果が出ることが多いのです。

プラスチックのフィンは、自然な弾力を得ることができないので、とにかく柔らかいダイビングフィンか、とにかく硬いダイビングフィンしか作ることができません(実際にはプラスチックがメインで、ゴムを補助的に使っているダイビングフィンが多いので、そこまで極端ではありませんが)

スキューバ・ダイビングで使うときには、柔らかすぎるダイビングフィンは使い勝手が悪いですが、脚力のある男性が硬いダイビングフィンを使うという選択肢はあります。また、プラスチック・フィンはゴム・フィンよりも軽いので、持ち運びが楽なことと、飛行機の重量制限に引っかかりにくいメリットがあります。

ダイビングフィンの素材による特徴③ウレタン

ウレタンはゴムと同じような弾力がありながら、成形がしやすいこともあって、取り扱っているメーカーは少ないものの人気のあるダイビングフィンが出ています。

重さはゴムよりも軽く、ゴムの欠点の一つとしてあげられる、劣化が少ないこともウレタンのメリットです。ウレタンは欠点がない素材のように思えますが、ゴムやプラスチックよりも温度管理が難しいということもあって、ダイビングフィンの素材として参入するメーカーがほとんどない実情があります。

.初心者におすすめするダイビングフィンの素材

スキューバ・ダイビングの呼吸や動きは、基本的に大きくゆっくりとされているので、大きくてゆったりとしたフィンキックで、効率よく進むことができるゴム・フィン(またはウレタン・フィン)がおすすめです。

ゴム・フィンであっても、その硬さは製品によって様々なので、自分の脚力にあった硬さのダイビングフィンを選ぶべきです。脚力のない人が硬いダイビングフィンを使うと使いこなすことができず、脚力があるのに、柔らかいダイビングフィンを使うと蹴った力が抜けてしまい、力の無駄遣いになってしまいます。

.ダイビングフィンの形状による違い

ダイビングフィンの形状による違いをご説明します。

ダイビングフィンの形状による違い①ストラップフィンとフルフットフィン

素材に加えて、ダイビングフィンの大きな違いは、足の締め付けを調節できるストラップフィンと足をそのまま入れるフルフットフィンに分かれます。

ストラップフィンは、ある程度足のサイズの調節が効くので、ウェットスーツのブーツと、やや大きくなるドライスーツのブーツのときでも、共用して使えることが多くなります。ダイビングフィンの脱ぎ履きについても、慣れていない人でもストラップフィンのほうが着脱しやすい特徴もあります。

一方、フルフットフィンは、基本的にウェットスーツの時限定で使うダイビングフィンになりますが、サイズがきちんとあっていれば、足との一体感が高いため、自由に動きやすいことで人気になっています。

フルフットフィンは、素足で直接ダイビングフィンを履くこともありますが、使える場面が限られてしまうため、足袋のような専用のブーツを履くことをおすすめします。

素足でフルフットフィンを履く方が、気持ちがいいという人も多いですが、素足の場合にはボートのはしごが錆びていたらケガしやすかったり、ビーチエントリーで使いにくかったり、水温が低いと足が冷たくなるなどのため、使える機会がどうしても限られてしまいます。

専用のブーツはフルフットフィンの一体感を損なうことがなく、それでいて足の保護・保温もバッチリです。価格も一般的に販売されているウェットスーツ用のブーツよりも安く抑えられています。

ダイビングフィンの形状による違い②長さ

シュノーケリング専用で短いフィンがありますが、スキューバ・ダイビング用のフィンであれば、長さが短いということはありません。ただ長すぎるダイビングフィンは、上級者であっても取り回しが難しく、方向転換や動き出しのときに周りのダイバーにぶつかってしまうこともあるので、避けたほうが良いでしょう。

ダイビングフィンの形状による違い③ブレードの角度

ダイビングフィンというと、下敷きのようにブレードがまっすぐなものを思い浮かべる人が多いかと思いますが、今では上図のようにブレードに角度がついているダイビングフィンも発売されています。

この角度は、一般的な大きなバタ足のようなフィンキックをしたときに、まっすぐなダイビングフィンよりも推進力が上がるようにつけられています。ただし、平泳ぎのような「あおり足」を使うときには、この角度がマイナスに働いてしまいます。

常に大きなバタ足で泳ぐような人には、楽にしっかり進むことができるので、おすすめできるダイビングフィンであることは間違いありません。

ダイビングフィンの形状による違い④先割れ

10年以上前に多くのメーカーで製造されていましたが、最近ではやや下火になっている印象です。先割れフィンは、他のダイビングフィンが大きなフィンキックをすると、推進力が上がるのに対して、細かなフィンキックの方が進みやすい特徴があります。逆に言うと先割れフィンは、大きなフィンキックをしても効率よく進むことができません。

高齢者やどうしても大きなフィンキックができない人には、おすすめのダイビングフィンです。

.初心者におすすめするダイビングフィンの形状

初めてダイビングフィンを購入する人は、ストラップフィンをおすすめしますが、もしドライスーツで潜ることを考えていないのであれば、フルフットフィンでも良いのではないでしょうか。長いダイビングフィンは、水中での取り回しが難しくなるので、選ばないようにしましょう。

ブレードに角度がついているフィンや、先割れフィンは人によって選んでも問題はありませんが、基本的なフィンキックを覚えようと思うのであれば、一般的な形のものを選んだ方が無難でしょう。

.ダイビングフィンのおすすめ機能

ダイビングフィンのその他のおすすめ機能をご説明します。

ダイビングフィンのおすすめ機能①調節不要なフィンストラップ

ストラップフィンは、少々の足のサイズの違いはフィンストラップで調節することができますが、脱ぎ履きでフィンストラップの調整が面倒くさいと思う人も多いようです。上の写真のように、ストラップの部分が伸びるゴムやバネになっているフィンストラップが発売されていたり、最初から標準装備のダイビングフィンもあります。

このフィンストラップを使えば、ダイビングフィンを履くときは、持ち手の部分を後ろに伸ばしながら、かかとに通すだけで簡単に装着できます。脱ぐときも同様に、持ち手の部分を後ろに伸ばしながら外すだけです。

TUSAのダイビングフィンにも、GULLのダイビングフィンにも、このような調節不要なストラップが販売されています。その中でもTUSAのバンジーストラップは、サイズ調整ができるので、ウェットスーツのときにもドライスーツのときにも使用可能です。他のタイプは、ストラップの長さが決まっているため、ウェットまたはドライスーツのどちらか専用になります。

ストラップの部分がゴムのものと、バネのものがありますが、バネの方が金属なので強度はあるのは確かなのですが、最初に壊れるのは持ち手の部分なので、ストラップはゴムでもバネでもどちらでも大差はありません。

ダイビングフィンのおすすめ機能②ステッカー

ダイビングフィンは、形だけでなく、サイズや色も豊富にあるので、自分のアイデンティティを表現しやすい器材です。ただ、それだけでは面白くないという人には、ダイビングフィンに貼るステッカーが販売されています。

ダイビングフィンはダイビング器材の中では大型で、特に後ろから見るととても目立ち、ステッカーの存在もよくわかります。器材を干しているときの目印としても役に立ちます。

ステッカーの貼り方は説明書に書いてあり、ステッカーを貼る面をキレイにして貼り付けるだけなので、誰でも簡単に扱えます。ただし、何回か使っていたり、中古のダイビングフィンだと貼る面が傷ついているため、ステッカーがすぐに剥げてしまうので、ステッカーを貼るのは新品のダイビングフィンにしましょう。

また、もっと自分の個性を出したいという人には、費用はかかってしまいますが、デザイナーに依頼すれば、世界に1つだけのデザインを、ダイビングフィンに描いてもらえます。

.初心者におすすめのダイビングフィン

ここまで書いてきたように、初心者が最初に購入するダイビングフィンは、柔らかめなゴム製のストラップフィンが良いことになります。その特徴を持った、おすすめダイビングフィンを、2つ紹介します。

ここで紹介するダイビングフィンは、あくまでもまだしっかりとしたフィンキックができず、スムーズなフィンワークも苦手なダイバー向けのフィンです。ライセンスを取得したばかりのダイバーでも、最初からしっかりとフィンキックができて、脚力も充分ある人もいるので、そのような人に勧めるフィンではありません。

そのような人は、ライセンス認定を受けたインストラクターからアドバイスを受けて、決めた方がよいでしょう。

初心者におすすめのダイビングフィン①GULL ミューサイファー

ゴムのストラップフィンの中では、最も柔らかくて、長さも短いため、脚力のない初心者でも、正しいフィンキックを覚えることができるダイビングフィンです。カップは、ドライスーツでも使えるようにゆったりとしているので、ウェットスーツとドライスーツで共用して使うことができます。

足が小さい女性であれば、GULLCOCOフィンを選んでも良いとは思います。COCOフィンはサイズが1つだけで、24.5cmまでということになっていますが、ドライスーツでは24cmでもカップに足が入りません。ウェットスーツでも24cmだとギリギリといったところです。また、カップの大きさが小さいのでドライスーツにはあまり向いているダイビングフィンではありません。

初心者におすすめのダイビングフィン②TUSA カイルオープンヒール

上記のGULLミューサイファーは柔らかいことが特徴なので、脚力がある人には物足りなさを感じてしまいます。GULLにはスーパーミューXX(ダブルエックス)というゴムのストラップフィンがありますが、こちらは重くて硬いので、初心者でも充分な脚力があれば良いですが、そこまで脚力がない人には勧めにくいダイビングフィンです。

2020年に販売開始になったTUSAのカイルオープンヒールは、ミューサイファーとスーパーミューXXの間の硬さを持ったゴム・フィンです。カップはドライスーツで使うのにも充分な大きさを持っています。

初心者におすすめのダイビングフィン③GULL ミュー

ドライスーツで潜ることはないという人は、最初からフルフットフィンを選択してもよいと思います。フルフットのゴム・フィンと言えば、GULLが豊富な製品ラインナップで人気です。その中でも初心者ダイバーにおすすめするのは、最も柔らかく、軽く、短い「ミュー」です。脚力がある人であれば、「スーパーミュー」でも良いでしょう。

ミューやスーパーミューは、スキューバ・ダイビングにはもちろん、シュノーケリングやドルフィンスイムにもとても使いやすいと人気です。

前述したようにフルフットフィンでも、「ミューブーツ」のような専用のブーツを使った方が使い勝手が良く、ブーツを履く場合、間違いなく素足で履くときよりも、ダイビングフィンのサイズが大きくなるので、サイズをチェックするときにはミューブーツを履いた状態でチェックするようにしましょう。

8.中上級者ダイバー向けのおすすめフィン

ここまでは、主に初心者ダイバーに向けた話が多かったですが、脚力のある中上級者のダイバーの、おすすめのフィンを紹介していきます。

経験を積んだダイバーは、ある程度自分の脚力を把握していて、いくつかのフィンを使ったことがあるかと思います。それでもいろいろな環境で使い込んでいる訳ではないため、なかなかフィンを比較できる人は少ないのではないでしょうか。この記事を読んで、フィンの違いを把握してみて、新しいフィンを購入する参考にして下さい。

中上級者ダイバー向けのおすすめフィン①GULL スーパーミューダブルエックス

中上級者ダイバーにおすすめするストラップフィンは、「スーパーミューダブルエックス」です。中上級者におすすめするフルフットフィンは、いくつかありますが、ストラップフィンになると、このフィンだけをおすすめします。

スーパーミューダブルエックスは、日本人ダイバーが好むゴム・フィンの中で、最もパンチ力がありつつ、ブレードが長くないので取り回しもしやすいフィンです。

厚みのあるリブで、しっかり水を掴みながら、ゴム特有の弾力もあり、大きなフィンキックでグイッと大きく進んでくれます。カップは高さがあり、深さもあるので、足がしっかり入り、ドライスーツのブーツにも対応できます。

上級者向けのゴムのストラップフィンというと、以前は「ジェットフィン」に人気がありました。ジェットフィンは、ダウンキックのときの推進力は優れたものがありますが、重量があること、ストラップの調整が困難なこと、水面移動が大変といったデメリットがいくつかあります。

また、推進力を比較しても、ダウンキックでもアップキックでも高い推進力を得られるスーパーミューダブルエックスの方が、平均的な推進力はあるとされています。重量を生かして、しっかり着底しながら写真撮影をしたいダイバー以外は、ジェットフィンよりもスーパーミューダブルエックスを、おすすめします。

中上級者ダイバー向けのおすすめフィン②GULL ワープフィン

流れに負けないフルフットフィンが欲しいとなると、「ワープフィン」がおすすめです。同じgullのミューや、スーパーミューよりも、ブレードが長いですが、硬いフィンではありません(白と黒はやや固め、その他の色はミューと同じ硬さ)。ミューと変わらないフィンキックをした場合、推進力はこちらに分があります。

ブレードが長くなるので、小回りは効きにくいですが、重いフィンではないので、水面移動やドルフィンスイムでも、ベテランダイバーであれば、充分使いこなせるでしょう。

gullには更に長い「バラクーダ」というフィンがありますが、さすがにメッシュバッグにも入らない長さで、取り回しも大変です。どうしても最高価格の高級品を手に入れたいということでなければ、ワープフィンで充分です。

中上級者ダイバー向けのおすすめフィン③GULL スーパーミュー

ここまで何度か名前が出てきた「スーパーミュー」は、中上級者のダイバーにも、おすすめのフィンです。ミューの長いバージョンがワープですが、スーパーミューはミューやワープとは異なる形状をしています。ワープフィンより短いですが、リブが高いので、しっかりと水を捉えるような、力強いフィンキックで、推進力が高まります。

また、フルフットフィンは、足の着脱がしやすいように、足のポケットには柔らかくて薄いゴムが使用されています。そのため、着脱を繰り返すと、かかとの部分が最初に破れてしまい、フィンを買い替えなければいけなくなります。

スーパーミューは、ポケットのゴムは柔らかいけれども、厚みを増すことによって耐久性を高めつつ、着脱がしやすい形状に改良しています。スーパーミューは、年間100本以上のように数多く潜るダイバーにとって、最高のフルフットフィンです。

中上級者ダイバー向けのおすすめフィン④TUSA カイルフィン

ゴムフィンといえば、もともとゴムメーカーであるgullの人気が高いですが、TUSAも元々ゴムメーカーのため、TUSAからも良いゴムフィンが販売されています。その中でも、最もおすすめするフルフットフィンが「カイルフィン」です。

gullのフィンは、サイズが大きくなると、ブレードも大きくなり、XLサイズにもなると、ブレードが長くなり、充分な脚力がなければ、なかなか蹴りきることができず、取り回しもよくありません。一方、カイルフィンは、サイズが大きくなってもブレードの長さはほとんど変わらず(XSとXXLで3cmの違い)、取り回しがしやすくなっています。

足のサイズが大きくて、取り回しの良いフルフットフィンが欲しいダイバーには、このカイルフィンが向いています。

中上級者ダイバー向けのおすすめフィン⑤フォースフィン

最後に紹介する「フォースフィン」は、必ずしも上級者向けのフィンというわけではありませんが、形状といい、フィンキックの仕方といい、他のフィンとは異なるので、初心者ダイバーが最初に購入するフィンではありません。

フォースフィンは、アメリカ海軍など軍隊で使用されているフィンで、水中から上陸した後に速やかに行動できるように、足に負担をかけずに、疲れずに長距離を泳げるように開発されたフィンです。また、爪先が外に出るので、爪がぶつかって痛いということもありません。

フォースフィンは、これまで紹介してきた中上級者向けのフィンと違って、一回のフィンキックで大きく進めるようなパンチのあるフィンではありません。長い距離を泳いでも疲れないことと、小回りが効き、陸上でも邪魔になりにくいことがメリットです。

フォースフィンは、ブレードが足の裏についているような形状をしていることから、一般のフィンと同じような大きなバタ足ではなく、パタパタと膝から下を使って泳ぐと効率よく進むことができます。

水を逃がすように斜めに振り切るようなフィンキックでは、効率よく進むことができません。フォースフィンを使いこなせるようになると、疲れを知らずに潜れるだけでなく、方向転回も容易にすることができ、バックで進むこともできてしまいます。

このフィンを勧めるダイバーは、まったり潜ることが大好きなベテランダイバーと、足首が固くてしっかり伸ばしてフィンキックをすることができないダイバーにも向いています。

ダイビングフィンのまとめ

ダイビングフィンは、フィンストラップが切れる以外は丈夫なので、一般的なダイバーであれば、コンスタントに使っていても5年以上は普通に使える器材です。ダイビング経験を積んでいけば、最初に購入したダイビングフィンでは物足りなくなってしまい、新たに購入することになるかもしれません。

しかし、最初に購入したダイビングフィンがその時の自分にマッチしたものであれば、正しいフィンキックが身につき、楽にダイビングをすることができるようになるため、快適で楽しいダイビングをすることができます。

もし、最初のダイビングフィンが合っていなければ、快適性が損なわれるため、ダイビングを楽しいものと思えなくなってしまうかもしれません。

ダイビングを続けていると、2本目、3本目のようにダイビングフィンを目的に合わせて増やしていくことになるはずなので、最初に購入するダイビングフィンは、この記事で紹介したような初心者向けのダイビングフィンを購入して、フィンキックやフィンワークを正しく覚えていくことをおすすめします。

そして、自分のフィンキックやフィンワークに自身がついたら、この記事で紹介している中上級者ダイバー向けのフィンを参考にして、お気に入りのフィンを手に入れて下さい。

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