海のアイドルに幻想的風景!兵庫が誇る竹野海岸のダイビングをご紹介

兵庫県豊岡市にある竹野海岸は、あまり知られていないダイビングポイントかもしれません。しかし、条件さえ合えば1年中潜ることができるポイントです。

日本海に面しているこの海は、冬場は北風の影響を強く受け、潜れないことも多いのです。しかし、数少ない穏やかな海況の日ならば、ガイドさんと一緒に潜ることができ、貴重なシーンに出会えることもあるのです。

ダイビングスタイルはボートダイビングが中心で、一部のポイントに限りビーチエントリーもできますが、リクエストの多い魚は基本ボートポイントに多いと考えていただけるといいかと思います。

周辺には多くの民宿があり、またホテルもいくつかあります。アフターダイビングでは、冬から春にかけてはカニを、夏場にはノドグロやオコゼ料理を堪能できます。それ以外にも、海鮮丼の美味しいお店などもありますので、ぜひそうしたところにも立ち寄ってほしいと思います。

また、毎年7月30日には、「たけの海上花火大会」が開催されます。その日が週末に当たれば混み合いますが、平日の場合は比較的空いています。

ダイビングボートが出る場所のそばにある、ビーチの前の海上からは、2000発の花火が打ち上げられます。ダイビングの後、のんびりビーチから花火を眺めるのもいいと思います。

竹野海岸エリアは「奥城崎温泉街」としても知られていて、天然温泉が民宿やホテルで楽しめます。特に冬場は、水温の低い海からあがり、冷えた体を温泉で温める時間は最高で、幸せな気分になります。

通常、ダイビング料金の中に温泉への入浴料が含まれている場合が多いです。ゆったりした気分が味わってほしいと思います。

竹野海岸ダイビングは、現地のダイビングショップ「T-Style」を利用されるか、都市部のショップツアーに申し込むかになります。大阪や神戸から約3時間ほど車で移動することになりますが、そこには素晴らしい海が待っています。

今回は、竹野海岸で見られる生物や風景を中心に、竹野海岸のダイビングについてお伝えしようと思います。

1.竹野海岸の魅力①海のアイドル「ダンゴウオ」

竹野で潜るのなら、ぜひ会ってほしいアイドルの魚がいます。ボートに乗り約5分で到着する「平床」というポイントにいる「ダンゴウオ」がそのナンバー1アイドルです。

ダンゴウオは、幼魚は1cmにも満たず、成魚でも1cm超えたら大きいと言われるほどの小さな魚です。ゲームのドラゴンクエストに出てくるスライムのような体型です。本当にかわいくて、毎年この魚を見に来るダイバーも数多くいます。 

しかし、登場時期が冬から春先の水温がとても低い時期に当たりますので、寒さ対策は万全でなくてはなりませんし、場合によってはほとんど視界がきかない透視度の中を潜ることも多いです。ガイドを見失わないようにすることが大切です。

写真は2枚とも赤のダンゴウオですが、色のバリエーションも多い魚ですので、色違いのダンゴウオを写真で撮影し、集めても面白いと思います。

そして、この海の良いところは「ダンゴウオの繁殖が見られる」ことです。春先に岩場にある小さな穴をのぞいてみると、親のダンゴウオが卵を守っている様子を見ることができるかもしれないのです。

現地のガイドが、毎年抱卵しているダンゴウオが見られる場所に案内してくれます。運が良ければ貴重なシーンを見ることができますし、卵の中にいる小さなダンゴウオも確認できます。

卵に目があることがわかります。もうしばらくしたら生まれるのでしょう。

寒い時期ですが、ぜひ実物を見てほしいです。

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2.竹野海岸の魅力②海のアイドル「スナビクニン」

2大アイドルのもう1つは「スナビクニン」というこれまた小さな魚です。ダンゴウオの見られる時期には、幼魚のスナビクニンが見られますが、水温が上がる時なら、成魚が比較的楽に見ることができます。(ダンゴウオはもういないですが)

何とも不思議な魚です。模様も魚の個体によって違い、ストライプ模様もいれば、模様がない個体もいます。色も様々ですのでぜひ出会ってほしいです。

3.竹野海岸の魅力③幻想的な風景

幻想的な風景1.大量のミズクラゲ

竹野の水温が上がるころ、不思議なことにミズクラゲが大量に登場し、1か所に固まって見られる時期があります。港からボートで約2分の場所に、ミズクラゲが集まっているのです。少しずつ場所は移動していきますが、ボートの上から集まっている場所は見えますので、ピンポイントでそこに潜ることができます。

あまり毒は強くないと言われていますが、ウェットスーツの長袖を着用し、フードやグローブも付けたほうが無難です。クラゲの中に入ると、幻想的な風景を見ることができます。

上から見てもよし、下から見上げてもよしです。短い期間限定ですので、現地に問い合わせてみて、タイミングを合わせて潜られるのもいいでしょう。

幻想的な風景2.海藻の森「ホンダワラ」

また、春先の水温が低い時期には、「奥城崎シーサイドホテル」に近いポイントで「ホンダワラ」という海藻の森ができます。海外で見られる「ジャイアントケルプ」の森のような感じで、春濁りの緑っぽくなっている海とマッチして幻想的です。

その森では、卵からかえったばかりの小魚がたくさん見られ、まさに小魚のゆりかごとなっています。

周囲にはえている「アマモ」にもたくさんの小魚が見られます。

ホンダワラの森に入ってみると、太陽の光も幻想的です。

その他にも、夏場限定の地形ポイント「淀の洞門」はとてもきれいですし、沖のポイントに出ると回遊魚も期待できます。

春先にはエチゼンクラゲの目撃例もあり、ウミウシもたくさんいます。ここで初めて見たウミウシが「ハナデンシャ」でした。毎年登場しているようですので、リクエストしてもいいのではないでしょうか。

以上、竹野海岸のダイビングについてお伝えしました。温泉・海の幸・海のアイドルという3本柱で楽しまれてください。

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