関西ダイビングの聖地!多様な生物に会える!串本の魅力2

関西ダイビングの聖地!多様な生物に会える!串本の魅力2

前回の①では、潮岬の西側エリアでのダイビングについてお伝えしましたが、今回の②では、潮岬の東側にある2つのエリアでのダイビングについてお伝えします。

関西ダイビングの聖地!多様な生物に会える!串本の魅力1

和歌山県の最南端にある串本町は、関西ダイビングの中心ともいえる場所です。毎年ビギナーからベテランまでの多くのダイバーがこの海に通います。また、関西だけではなく、名古屋方面からもアクセスしやすいので、名古屋近郊に住むダイバーも通って来られ[…]

1.串本のダイビング紀伊大島周辺(須江エリア)

紀伊半島を挟んでの西側と東側では、海況が全く違います。須江エリアは常時水温が2度ほど低いので、冬場はかなり寒さも感じます。しかし、地形の特徴や水温が低いという特徴から、ここを好んで生息する生物も多く見られます。

この後紹介する「キシマハナダイ」はその典型的な魚で、その体の模様の美しさから、何とかきれいに写真を撮りたい、という写真派ダイバーからは絶大な人気があり、「キシマだけ撮りたい」というリクエストも多いほどです。

須江エリアは10月~3月にかけて、多くのダイバーがやってくる「冬場に魅力」がいっぱいな場所です。その理由は、漁業との関係で夏場は潜ることができない「内浦ビーチ」がこの期間だけ潜れるようになるからです。

船に弱い方でもビーチポイントですので安心ですし、エントリー口までタンクを背負ってから10歩ほどですので負担が少ないのも魅力です。また、湾になっているその地形から、北風が強くても表面に風波がたつだけで、潜ってしまえば穏やかです。流れもほとんどありません。

そして、この「内浦ビーチ」には、多くの珍しい魚やかわいい魚、迫力ある群れ等、様々なシーンに出会えます。ダイバーの中には、「内浦がオープンの期間は毎週でも通いたい」と話す方もたくさんいます。

ビギナーからベテランまで楽しめる魅惑のビーチポイントである「内浦」がここ須江にはあるのです。そのすぐそばに「白野ビーチ」というポイントがあり、こちらは年中潜ることができます。ここも冬場のある時期、しかも夜だけ超人気ポイントになるのです。

ここでしか見られない、なんともユニークなネイチャーシーン(ショーに近いかもしれません)が繰り広げられるのです。

須江エリアに潜る場合は、必ず「須江ダイビングセンター」を拠点にする必要があります。関西圏や名古屋圏からのツアーであっても、拠点はここになります。

廃校となった小学校の跡地をダイビングセンターとして再利用しており、ログ付けをここでしていると、学校で授業を受けている気分になります。それでは、須江で出会える生物やシーンを見ながら、ダイビングについてお伝えします。

串本のおすすめダイビングスポット①内浦ビーチ

串本で見られる海の生き物1.キシマハナダイ

港から5分かからないところにある「ナギザキ」というポイントの30mよりやや深い場所にいることが多いです。実はナギザキは透明度が悪いこともよくあり、この魚がいても、見えにくくてピントが合わず撮れないということもあるのです。その分、撮れた時の感動は大きいです。

須江でボートダイビングするときはキシマハナダイだけで、残りは内浦行くことが多いのですが、このナギザキでは過去には「オシャレハナダイ」が出て話題になったこともあります。クダゴンベもいますので、リクエストしてもいいかと思います。

串本で見られる海の生き物2.ミジンベニハゼ

まずはかわいい「ミジンベニハゼ」です。貝殻等に住み、ここで繁殖します。卵を抱えているシーンもよく見かけますので、可愛い様子を観察して写真に撮るなど、じっくり見ていただきたい魚です。

この写真のシチュエーションはペアが貝殻に住んでいますが、内浦では考えさせられるシーンにもよく出会います。それが次の写真です。

かわいいことには変わりないのですが、住処が空き缶です。上手にリサイクルしていると言えば聞こえはいいですが、本来、ここにあってはならないものです。

昨今、海の環境についてニュースでも取り上げられますが、海にごみを捨てないところから意識することが大切だと思います。

串本で見られる海の生き物3.ハナコンベの幼魚

上の写真はダイバーに人気の「ハナゴンべの幼魚」です。内浦なら浅い場所に登場することが多く、減圧を気にせず観察できます。幼魚のかわいさは格別です。

水中ブロックには、きれいなソフトコーラルがあり、そこに甲殻類が引っ付いています。ソフトコーラルのポリプが開いていると、とてもカラフルな感じで写真が撮れますので、チャレンジしてみてください。

串本で見られる海の生き物4.カエルアンコウ&ハナギンチャク

上の写真のように、ちょっと変わったシーンも見られたことがありました。カエルアンコウがハナギンチャクのそばでジッと佇んでいたのです。

ライトを当てると動き出したのですが、ハナギンチャクを引きずっているように見えて、ユニークだったのを覚えています。こんなシーンにも出会えるかもしれません。

串本で見られる海の生き物5.ウミウシ&ホウキムシ

ウミウシが好きな方にも、このポイントはおすすめです。特に浅場に岩の上や波消しブロック周辺でけっこう見かけるからです。運が良ければこんなシーンが見られるかもしれません。

白いホウキムシは、年によって多い少ないはあるようですが、多い年にはちょっとメルヘンチックなウミウシ写真が楽しめるかもしれません。

串本で見られる海の生き物6.アジ&イシモチ&カマス

その波消しブロック周辺では、アジやイシモチ類、カマス等がものすごい数で群れていて、迫力あるシーンを見せてくれます。これらを狙って「マトウダイ」や「カンパチ」が突っ込んでくることもあります。安全停止を兼ねて、ここで最後に遊ぶといいでしょう。

串本のおすすめダイビングスポット②白野ビーチ

串本で見られる海の生き物7.カスザメ

冬場の白野ビーチで、ある時期キビナゴが大量発生して、浅瀬を泳ぎ回ります。その時期になると、写真のカスザメが砂地に隠れ、キビナゴを捕まえようとするシーンが見られます。サメですのでけっこう大きいです。

見た感じでは、あまりハンティングはうまくない印象ですが、砂を巻き上げてのハンティングのシーンはなかなかの迫力です。

その横では、タコも同じようにハンティングをしています。タコの方もあまりハンティングはうまくない印象でした。

串本で見られる海の生き物8.キビナゴ

サメもタコもけっこうな数がいますので、ほぼ時期さえ合わせれば間違いなく見られます。夜の海の中に、たくさんのライトがともる様子もきれいです。

2.串本のダイビング古座エリア

橋杭岩をさらに三重の方向に20分程走ると、古座川が見えます。その沖の海にもダイビングポイントがあり、そこを潜ります。

このエリアは、唯一「ダイブクーザ」さんがガイドをしてくれています。串本や須江とはまた違った風景が広がり、特にソフトコーラルやホヤのカラフルさは目を見張るものがあります。

海はもちろんですが、おすすめなのが「リバーダイビング」です。清流古座川を潜ることで、海では見られないネイチャーシーンを見ることができます。

串本のおすすめダイビングスポット③外洋

古座エリアで1番の外洋ポイントは、ここ「ブラックトンネル」です。トンネルの出口にはものすごい数の魚がいて、魚まみれになると言っても過言ではありません。

串本で見られる海の生き物9.イサキ

特に「イサキ」はほぼ毎回見られます。透明度がいい時に列をなして群れると迫力があります。気持ちいい海を体感できます。

串本で見られる海の生き物10.マダラハナダイ

ここには時々「マダラハナダイ」が登場し、その都度多くのダイバーがリクエストし、一躍大人気ポイントになります。

色彩、表情も良く、人気が高いのも納得です。水深も30m後半ですので、じっくりと見ることはできず、毎回時間との勝負になりますが、何度でも通って見たくなるほどの魅力的な魚です。

下の写真のように、ブラックトンネル周辺には、カラフルなソフトコーラルがたくさんあります。それらを眺めるのも癒されると思います。

串本のおすすめダイビングスポット④内湾

「上の島」という、ホヤ類がとてもカラフルできれいなポイントがあります。そこでのんびり潜ることも楽しいです。

串本で見られる海の生き物11.ミアミラウミウシ

好きなシーンは、コバルトツツボヤに代表される色彩豊かなホヤと、そこに住むカラフルなウミウシがマッチした風景です。運も味方にできたら、特にきれいな「ミアミラウミウシ」がこのカラフルワールドに登場してくれます。

色を楽しむダイビングが、ここ古座エリアの最高の贅沢だと思います。

串本で見られる海の生き物12.ヒロウミウシ

「ヒロウミウシ」もこんなきれいな場所にいたら、メルヘンチックに見えます。

水温が低い時期にはきれいな海藻も登場し、さらにカラフルな世界になります。

串本で見られる海の生き物13.ワレカラ

「ワレカラ」というマクロ派ダイバーが好む生物がいるのですが、運よくきれいな海藻に引っ付いてくれていたら、下の写真のような光景に出会えます。

ちょっとグロテスクな生物でも、なんだか芸術的に見えます。

そして、ここでぜひやって欲しいのが「リバーダイビング」です。他のエリアではまず体験することができないダイビングメニューです。体験したのは3つで、それぞれ面白かったので全てご紹介します。

串本で見られる海の生き物14.オオサンショウウオ(リバーダイビング)

まずは「オオサンショウウオ」を見に行くダイビングです。日が暮れてからのナイトリバーダイビングを行いました。夏場でもできますが、暗くなるのはかなり遅い時間となるために、暗くなるのが早い冬場にリクエストしました。もちろん水温はかなり低いです。

夜なら会える確率が高くなりますのでおすすめです。いくつかのポイントがあるので、1か所だめでも次のポイントに案内してもらえます。ぜひ、生きてる化石を実際に見てほしいです。

2つ目は、春先限定ですが、ヤマザクラを見に行くリバーダイビングも開催されています。潜るというより、カメラを水中に浸けて桜を写そうという写真ツアーだと思っていただいていいでしょう。

川の水越しに見えるヤマザクラもなかなか面白く、ハマってしまう方が多いです。

半水面の練習もできるので、チャレンジしてみてはどうでしょうか。

串本で見られる海の生き物15.アカハライモリ(リバーダイビング)

3つ目は「アカハライモリ」を見に行くダイビングで、これも面白かったです。水面からイモリが水中をのぞき込む様子も見ることができました。こんなシーンはなかなか海では見ることができませんので、とても新鮮でした。

串本ダイビングの魅力2のまとめ

以上、串本のダイビングその②として、ダイバーが「須江エリア」と「古座エリア」と呼んでいる場所のダイビングをお伝えしました。
「内浦ビーチ」には「キアンコウ」が出るときもあり、水温が1番低い時期には「タカアシガニ」が稀に出ることもありました。

古座でも、2年ほど前に和名が付いた「ヨコエビの仲間」が登場しました。フォトジェニックなギンポがいたり、オオミナベトサカに付くエビや貝がとてもきれいだったりします。

どちらのショップも、数名程度はショップで宿泊可能ですし、串本駅周辺まで出ると、ビジネスホテルや民宿も多くあります。せっかく行かれるなら、数日滞在して潜られてはいかがでしょうか。

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