【東伊豆】アオリイカの聖地!温泉にグルメも充実!富戸のダイビング

【東伊豆】アオリイカの聖地!温泉にグルメも充実!富戸のダイビング

静岡県の東伊豆は首都圏からのアクセスも約2時間半と近場であり、日帰りで帰れる距離にもあることから、多くのダイバーが毎年訪れます。

東伊豆には川奈、城ケ崎など、様々なダイビングスポットがありますが、今回は伊豆半島の中でも屈指のダイビングスポットとして知られる富戸に絞ってご紹介します。

1.富戸とは?

伊豆急行線の川奈駅と城ケ崎駅に挟まれた静岡県伊東市にある地域です。「富戸」と書いて、読み方は「ふと」と呼びます。富戸は「play station」のゲームソフト「ぼくのなつやすみ」シリーズのpart2で、オープニングの風景や防波堤、海で泳いでいる魚が舞台となった場所です。

富戸のダイビングスポットは、「ヨコバマ」と呼ばれる場所がメインです。「ヨコバマ」はシュノーケリングもすることができ、浅瀬の岩場では多様な生物を見るだけでなく、イソギンチャクの群生が広がっています。特に7~8月の夏場にかけては、多くのダイバーとシュノ―ケラーで賑わっています。

2.富戸のダイビングショップを選ぶポイント

伊豆半島には多数のダイビングショップがあり、どこを選んだら良いかわからないという問題があります。これはどこの地域のダイビングショップにも言えることですが、現地のショップに必ず言えることとして、ホームグラウンドがあります。

川奈を専門にしている、伊豆海洋公園が専門など、潜る場所として得意な領域があるのです。もちろん、富戸で潜る場合も富戸を専門にしているダイビングショップがあります。

都市部のダイビングショップも多数ツアーを開催していたり、現地のショップでも広範囲に潜る場所を提示している店もありますが、特定の場所に特化しているダイビングショップは、その場所の関して非常に詳しいため、インターネットや都市型のショップでは得られない情報を知っていたりします。そのため、ダイビングショップを選ぶ際は、自分の潜りたい場所をホームグラウンドとしているショップを選ぶのが良いでしょう。

ダイビングをされる方の中には、水中写真を撮るのが好きという方も大勢います。その場合は特定のホームグラウンドが決まっており、ホームページで水中写真を多数掲載しているショップを選ぶのが良いでしょう。水中写真が得意であったり、好きなショップは、ホームページからもその様子が伝わってきます。

3.富戸「ヨコバマ」で潜る

「ヨコバマ」で潜るためには、ショップが提携している、「富戸ダイビングサービス」まで車で移動し、こちらの施設を利用してダイビングの準備を始めます。こちらの施設には自動販売機で飲み物を購入することができ、施設にある2階のテラスで休憩時間はのんびりと過ごすことができます。

温水のシャワーや200円で使用できる小型のロッカーもあるため、財布やスマートフォンなどの貴重品を収納することができます。

但し、施設には弁当やサンドイッチなどの昼食を購入することができません。食べ物は数種類のカップラーメンが販売されているのみなので、昼食はコンビニ等で事前に購入しておきましょう。

「ヨコバマ」はエントリー口にスロープが設置されているため、初心者や小さなお子様でも安心ですが、人気スポットのため、大学生のサークル集団や他のダイビングショップからのお客さんがいることも多いです。

エントリー(入口)とエグジット(出口)は時々、並ぶことがありますので、慌てないように注意し落ち着いて進みましょう。

4.富戸で見られる生き物

富戸では実に様々な生き物が見れます。代表的なものは以下の生き物たちです。

富戸で見られる海の生き物①アオリイカ

富戸の海と言えば、アオリイカの産卵床が最も有名ではないでしょうか。毎年5月~8月はアオリイカが繁殖活動を行います。交接からメスを取り合うオス同士のバトルも見物です。

アオリイカのメスが産卵をするために、産卵床に向かって泳いでいく風景はまさに神秘的です。水中を自由に泳いだり、洞窟を探検するのも気持ち良いですが、ネイチャーシーンという自然の生態系を観察できることは、ダイビングを始めて、本当に良かったと思える点です。

富戸の海では、この産卵床に対して、多くのアオリイカが産卵し、子孫を育てています。砂地をフィンでかき上げてしまうと、アオリイカが逃げてしまいます。砂地に対してのフィンの扱いは十分に注意し、観察する際は、静かに寄りましょう。アオリイカを観察するためのポイントは以下です。

1.産卵床付近では極力低姿勢になる

2.産卵床の上では遊泳をしない

3.無理にアオリイカを追いかけようとしない

4.排気する泡は控えめにする

富戸で見られる海の生き物②ウミウシ

海の宝石と称される、ウミウシです。浅瀬に住み、日本のみならず、世界中で目撃されています。本土と南国では生息しているウミウシの種類が異なるようです。

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ウミウシは赤、青、ピンクなどのビビットな色合いの個体から、茶、黒などの地味な色合いまで様々です。「ヨコバマ」で潜る際は浅瀬が多いため、よく観察してみましょう。富戸の海の至るとこに、ウミウシがいます。サンゴの枝の方にひっそりといたりします。

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富戸で見られる海の生き物③ハナミノカサゴ・オニカサゴ

ミノカサゴはダイバーの目をひきつける魅力的な魚です。水深10m前後の砂地を静かに、泳いでたりします。カメラの被写体としても最適ですが、ミノカサゴの背びれには強烈な毒があり、その毒は激痛が走るようです。うっかり触ったりしないようにしましょう。

オニカサゴも同様に毒針がありますが、こちらは刺身、煮物、唐揚げなどで食されることが多いです。調理の際は背びれ、腹びれ、エラ周りの対しキッチンハサミを使って切っていきます。しかし、オニカサゴは成長して大きくなるのに、年月を要する魚です。25cmを下回る個体であったら、釣りをして、調理目的で捕まえたとしても、個体保護のためにリリースをしましょう。

富戸で見られる海の生き物④カザリイソギンチャクエビ

写真のように、カザリイソギンチャクエビがいることもあります。イソギンチャクエビはサンゴと一緒に共生し、個体の成長に具合によって色が変化します。

他にも浅瀬の岩陰には、伊勢エビが潜んでいることもあります。下の写真のように、サラサエビもいます。サラサエビは最も多く見られ、壁の亀裂や岩の下で大抵群れています。

富戸で見られる海の生き物⑤ツノハタタテダイ

浅いサンゴ礁や岩礁に住み、単独や数尾で生息しています。大きな個体になると20cmほどのものもいます。

富戸で見られる海の生き物⑥コケギンポ

コケギンポは巣穴の中に隠れており、時々砂地へ顔を出してくれます。全身を出して見せてくれるシーンは貴重で、たいてい顔だけを巣穴から少し出しています。全身が赤い個体や黄色の個体など、バリエーションも様々です。写真のコケギンポは体中にブルーの模様が入り、お洒落です。

富戸で見られる海の生き物⑦ハリセンボン

ハリセンボンに遭遇するのは珍しいですが、時々出会います。ちなみにハリセンボンはグローブの上から触っても痛くありません。珍しいため、ダイバーが出会うと交代でハリセンボンを抱える風景を見ます。ハリセンボンは伊豆半島、宮古島など、異なる地域で遭遇してもいつも人気者です。

他にも、下記のような生き物たちにも出会えます。
・クマノミ
・ハゼ
・ヤシャハゼ
・ハナキンチャクフグ
・カンパチなどの回遊魚

また、富戸には数種類のウツボが住んでいます。

写真のウツボやトラウツボは、頻繁に遭遇するため、ダイビングをする際は、安全のためグローブを着用し、むやみに岩陰に手を突っ込んだりしないようにしましょう。ウツボは「海のギャング」のように言われていますが、自ら危害を加えない限り、人間を一方的に襲ってくるようなことはありません。彼らを威嚇しないように、イタズラ等は避け、安全にダイビングを楽しみましょう。

そして、ダイビング後は、富戸の名物である「温泉丸」に浸かることができます。

「温泉丸」はダイバーやシュノ―ケラーにも大人気です。浸かる場所が分割されているのも良いところです。また、「温泉丸」にはダイバー専用の温泉と水着着用のみの2種類があり、海水から冷えた身体を温めるのに最適ですので、ぜひ活用しましょう。温泉に浸かった後は、施設の温水シャワーを使用して体を洗い流し、水着から私服に着替えましょう。

5.富戸のグルメ

富戸は伊豆半島の近海で獲れる魚介類がおすすめです。筆者が宿泊した、伊豆高原駅の周辺には、海鮮丼や回転寿司のお店があります。いくつかのお店で食事を摂りましたが、漁港が近いだけあって、どれも美味でした。特に伊豆高原駅から徒歩5分ほどの距離にある「鮪屋」で食べる鮪を中心とした海鮮丼は、鮮度も良くおすすめです。

予算的には2000~3000円ほどで十分な量を食べることができます。海鮮丼と一緒に、海藻の味噌汁やひじきの煮付などがセットになります。また、自家農園で育てている「ニューサマーオレンジ100%」のオレンジジュースは、ダイビングで疲れた体も回復します。

富戸には源泉掛け流しの温泉を所有している宿もあり、筆者が宿泊した「ジェムスティーン伊豆高原」では、江戸時代より、代々引き継がれた、天然温泉を貸し切りで使用できる宿泊施設でした。宿泊者が交代で温泉を使用し、自分が入る際にお湯を入れ、自由に入れる仕組みです。5分ほどでお湯も貯まり、快適です。

伊豆高原周辺の民宿には、食事を併設しているところや天然温泉を売りにしている民宿が多いです。「じゃらん」や「Booking.com」「楽天トラベル」などを活用し、「富戸」「城ケ崎」「伊豆高原」などで、絞り込みを行うとすぐに見つかります。

安いところでは、素泊まりが2500円程度からあり、高いところは1泊30000円程度の宿泊施設があります。ご自身の財布事情と相談して決めましょう。また、中にはペットと一緒に宿泊が可能な民宿もあります。犬や猫を連れていきたい時は事前に条件を調べてみましょう。

アオリイカの聖地!富戸のまとめ

東伊豆には、川奈、伊豆海洋公園、城ケ崎、八幡野など、様々なダイビングポイントがありますが、今回は富戸に焦点を当てて、ご紹介しました。富戸をダイビング目的で訪れる場合、「ヨコバマ」にある「アオリイカの産卵床」が最も有名なポイントです。その他にも多様な海の生物に会える点も良いところでしょう。

富戸の魅力はダイビングだけではなく、漁港から直送の鮮度抜群の地魚や天然温泉に入れる宿泊施設が複数ある点も大変良いところです。都会の喧騒を離れ、リラックスした休日を過ごす場所として、是非とも訪れてみて下さい。

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