マクロフィッシュの宝庫!バリ島ダイビング癒しのトランバン魅力2
前回のその1では、トランバンエリアの早朝と日中のダイビングについてお伝えしました。早朝でカンムリブダイの群れを堪能し、日中は主にマクロ生物とバリのカラフルなホヤを楽しむ。1ダイブの1時間があっという間に過ぎてしまいます、という内容を書かせていただきました。
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それに勝るとも劣らないダイビングをナイトで満喫することができるのです。今回のその2では、まずトランバンエリアのナイトダイビングについてお伝えします。
目次
1.バリ島トランバンのナイトダイビング
トランバンのダイビングスタッフはとてもよく働きます。きちんと研修をされているのでしょう。気持ちいい対応には頭が下がります。
ナイトダイビングもエントリーやエキジットの基本スタイルは早朝や日中と変わりません。いわゆる殿様ダイビングで、少々波が高くても、ダイバー1人につき、アシスタントスタッフが2名つき、水面で機材の脱着等をしてくれます。
機材の重さが邪魔をして、足元をすくわれるようなことはありませんので安心です。特にナイトは暗い中でエントリーやエキジットを行うので、こけてしまいケガをする可能性もあるのですが、これだけ手厚いとその心配もほとんどなく、安心してダイビングに集中できます。
ナイトダイビングで潜るのも「沈船」ポイントが中心です。昼間には数多くの魚があふれかえっていましたが、さすがにこの時間帯の水中は静かで、夜行性の魚が少し動いているのが見えるだけです。でもワクワク感が止まりませんでした。
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バリ島トランバンで会いたい海の生き物の続き
ナイトダイビングで狙う生物は、ズバリ甲殻類です。何が出てくるかわかりません。その中で、ナイトの方が見られやすいある甲殻類だけリクエストしていました。それを見ることができたら大成功です。確率は40%ぐらいとガイドから言われました。幸運を祈りつつダイビングがスタートです。
バリ島トランバンで会いたい海の生き物8.トゲツノメエビ
いきなり珍しいエビが出てきました。トゲツノメエビです。沖縄でも数回しか見たことがないかなり珍しいエビです。
オーナーの「今日は何かいた?」という問いに。「水深5mのブロックの右側でトゲツノメエビがいたよ」と答え、写真を見せたのですが、オーナーの反応がす食いつき気味でした。
すぐに手の空いているスタッフを引き連れ、カメラの準備ができると潜っていったのです。後日また話をする機会があり、オーナーが「エビ見つけたよ。見たかったからなあ」と嬉しそうに話していたことをよく覚えています。
毎日潜っているスタッフでもなかなか見られないのがこのエビです。あっさりと見ることができ、バリの海のすごさをまざまざと見せつけられたように感じました。
バリ島トランバンで会いたい海の生き物9.コガラシエビ
これはコガラシエビです。日本ではこのエビもあちこちで簡単に見つけられる生物ではありません。しかしこれまたあっさりと見つけて写すことができました。場所がよかったのか逃げ回ることもなく、ジッとしていたのでゆっくりと写真を楽しめました。形がなんともユニークなエビです。
写真に熱中している間も、ガイドはリクエストの生物を中心に必死で探してくれています。
バリ島トランバンで会いたい海の生き物10.ホヤカクレエビ
昼間も写した「カラフルなホヤ」をのぞいてみると、日中はホヤの中に隠れていることが多いホヤカクレエビの仲間がラッキーなことにホヤの外に出てきていました。
夜行性のため、この時間帯に活発に活動するのでしょう。エサを食べるために住処から出てきているのかもしれません。いずれにせよ、珍しいシーンに出会えてうれしかったです。しかもハゼも運よくここに引っ付いていました。
珍しいシーンでしたが、エビは正直言うと、あまりきれいだとかカラフルだという感じではなかったです。写すのは難しいですが、かえってホヤの中にいるシーンを写す方がきれいなように思いました。
さらにもう少し、この辺りを探してみました。カラフルなホヤは数多くあります。するとあるホヤでは下の写真のようなシーンが見られました。
バリ島トランバンで会いたい海の生き物11.ヒラムシ
きれいなヒラムシが2匹、夜の海を遊んでいるかのようにジッと見つめ合っていました。何ともかわいらしいシーンでした。バックがカラフルだと、ファインダーをのぞいていても楽しくなります。時間を忘れて夢中でシャッターを押しました。
ここで、水中でガイドが私を呼ぶ合図の音が響きました。ガイドの方を振り向くと、ライトで大きく〇を描く動作が見えたのです。すぐに「リクエストしていた生物が出た」と直感しました。ワクワクドキドキがさらに止まりません。いよいよ御対面の時がきたようです。
バリ島トランバンで会いたい海の生き物12.オリヅルエビ
ガイドがライトを当てたそこには、下の写真の生物がいました。それがこの「オリヅルエビ」です。
文章にすると淡々としているように思われるかもしれませんが、実は大興奮でした。呼吸は早くなるし、シャッターを押す手は震えるしという状態だったのです。
このエビの形が、角度によって折り鶴が羽を広げているように見えることからこの名前になったそうです。バックのカイメンの突起に隠れるようにいたのをガイドが見つけてくれました。
それにしても美しいです。老眼でなければ、もう少しきちんと写真が撮れたのでしょうが、それでも見ることができただけで大満足です。ここからのダイビングは正直よく覚えていません。それほどまでに興奮していたのです。
ありとあらゆる角度から写真を撮った覚えがあります。どこから見ても、何とも不思議なエビです。残りのダイビングタイムは全てこのオリヅルエビとのご対面に使ってしまいました。出てきてくれてありがとう。
時間となり、後ろ髪をひかれる思いでその場を離れエキジット。海岸にはアシスタントスタッフがきちんと待っていてくれたので、重い機材を背負うことなくビーチまで歩いて移動します。
ダイビングコンピューターを見ると、予定のダイビングタイムをかなり過ぎて90分ほど潜っていました。あまりの喜びように、きっとガイドがサービスしてくれたのでしょう。
2.バリ島トランバン以外のダイビング
バリ島最高峰の「アグン山」です。ダイビングショップからも毎日眺めることができ、食事はこの山を正面に見ながら取りました。
この山のふもとにいくつかの集落があり、そこにもすごい海が広がっていました。ダイビングの際、1日分の入村税がかかり、最終日の清算の段階で現地払いとなります。
どの集落で潜るにしろ、ショップからは車で15分以内です。移動の際、ダイバーはトラックの荷台に乗り、15分程オープンカー気分を味わうことができます。道が悪いところもあるので、お尻が痛くなることは覚悟しておいた方がいいでしょう。
荷台からはこのアグン山を眺めながらの移動となり、標高3000mを超える山の大きさを感じながらの移動も、日本ではなかなか体験できない貴重なものとなるのではないでしょうか。
どの集落でも殿様ダイビングスタイルは変わりません。集落によっては簡易シャワーまでありました。カメラの塩を落とす大きな水槽も用意されていました。
バリ島おすすめのダイビングスポットパティサン
このポイントはリクエストしていました。当時まだ名前のないウミウシがいて、何ともユニークな模様が気になってしまい、どうしても見たかったのです。
バリ島トランバンで会いたい海の生き物13.マツカサウミウシ
通称「ゴージャスマツカサウミウシ」です。それが下の写真です。
トランバンエリアその1でも触れたのですが、私が訪問したのはウミウシのオフシーズンでした。そのため個体数は期待できず、いくつか見ることができたらいいねとは言われていました。運よく小さめのきれいな個体に出会えました。この背中のぐるぐる模様が妙にかわいくみえてしまったのです。
見れば見るほどこの幾何学模様にハマってしまいました。仮面ライダーの悪者として出てきそうだなとも思い、海の中でいろいろ出てきそうな怪人を想像してしまいました。
実際、このウミウシのリクエストは多いそうで、ウミウシ好きのダイバーはこのパティサンで1日を過ごしたいとリクエストも多いと聞きました。ハイシーズンにはもっとたくさんのウミウシが出ることもガイドに教えてもらいました。
オフシーズンとは聞いていましたが、それでもウミウシはいくつか登場しました。このミノウミウシ系もとてもきれいでした。
バリ島トランバンで会いたい海の生き物14.ミノウミウシ系
バリ島トランバンで会いたい海の生き物15.ブッシュドノエルウミウシ
さらにブッシュドノエルウミウシも2匹登場しました。これもなかなか見ることはできないウミウシです。しかも2匹同時にというのはかなり珍しいと思います。
あのゴージャスだけで満足してしまいました。あのウミウシは必見です。
バリ島ダイビング癒しのトランバン魅力2
今回もテーマごとに深く掘り下げて、内容盛りだくさんでお伝えしました。その3では、別集落で絶対に潜るべきポイントを2つお伝えします。
今回ガイドしてくれた彼は、ある生物を見つけるのが得意で、それを実証して水中で「○○祭り」状態になってしまったことや、数ミリの小さな生物が実にかわいかったことなどをお知らせさせてもらいます。
また、最終日の出発時間までの過ごし方(見ておきたい観光地やレストラン)、さらにまさかのアクシデントから、海外でダイビングする際に気を付けるべきこと等もお伝えしたいと思っています。
特にアクシデントは体に関することでした。ダイバーならだれでも可能性のあることだと思うので、備えあれば患いなしということわざがそのまま当てはまったエピソードをお伝えすることで、他のダイバーの参考にしてもらえればいいなと考えています。
マクロフィッシュの宝庫!バリ島ダイビング癒しのトランバン魅力3 バリ島・トランバンの潜り方その3では、トランバン周辺の別集落で潜ってほしいポイント2つと、今回のガイドがある生物を見つけるのがとても得意で、水中でその生物を数多く見つけ、[…]