昼間では味わえない大冒険!ナイトダイビングの魅力を徹底解説!

昼間では味わえない大冒険!ナイトダイビングの魅力を徹底解説!

昼間とは全く違った顔を持った夜の海。暗くて、真っ黒な海に吸い込まれそうだと、恐怖を持つ人もいるかもしれませんが、ライトを持って潜るので、思ったより明るく潜れるものです。

最近では、明るいライトも使えるようになってきているし、ライトが目印になるので、はぐれる心配は昼間よりもありません。何より夜の海は、昼間に見ることができない生物や生態を見ることができます。ハマる人が多数のナイトダイビングを経験してみて下さい。

1.ナイトダイビングとは

ナイトダイビングは、PADIアドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー・コースのライセンスを取る時の、必修ダイブとなっていましたが、今では必修ダイブではなくなったため、ベテラン・ダイバーでも1回もナイトダイビングをしたことがない人もいるようです。

ナイトダイビングのスペシャリティ・コースもありますが、ライセンスを取得するのに3回潜る必要があります。

わざわざスペシャリティを取らなくても、オープン・ウォーター・ダイバーのライセンスさえ持っていれば、気軽にナイトダイビングはすることができますし、はじめてナイトダイビングをするのであれば、ガイドから丁寧なブリーフィングが受けられますので、魅力的なナイトダイビングを体験してみてください。

この記事では、ナイトダイビングの魅力や注意点、そしてナイトダイビングに必要不可欠なライトについて記載していきます。

2.ナイトダイビングの楽しさ【4選】

暗い海に潜ることで、怖いというイメージを持っている人がいるかもしれません。しかし、ナイトダイビングには、昼間のダイビングでは決して味わうことができない楽しさがあります。その楽しさを、4つにまとめて説明してみます。

ナイトダイビングの楽しさ①夜に見られる生物

夜行性の生物や、昼間よりも夜の方が見やすい生物が見られるということを、ナイトダイビングの魅力と言う人が、とても多いようです。

それら生物の代表は、エビ、タコ、ウニ、ヒトデ、アナゴといった生物です。昼間は、穴や砂の中に潜んでいる生物も、夜になると活発に動き回り、食事をしている姿を見かけることもあります。

ナイトダイビングの楽しさ②夜にしか見ることができない生態

昼間に活動していた生物たちは、夜になると寝てしまいます。魚にはまぶたがないので、眠っているのはわからないですが、近寄ると普通は逃げ出す魚も、触れることができるほど動きが鈍くなっています。

魚によって眠り方は様々で、流されないように海藻を加えていたり、体の周りに膜をはったり、色が変ったりするので、昼間と違う姿を観察してみてください。

ナイトダイビングの楽しさ③幻想的な夜光虫

ナイトダイビングでなければ、決して見ることができない美しい光景が、夜光虫の輝きです。夜光虫は昼間も光っているのですが、周りが明るいため、見ることができません。

陸上からスローシャッターで波間に輝いている写真を見たことがあるかもしれません。夜光虫は刺激によって光るので、波や水の動きでキラキラと青白く光ります。その光は幻想的で、夜光虫見たさにナイトダイビングをしている人もいるほどです。

夜光虫は、プランクトンの一種なので、夜光虫が多いときには透明度は悪いものです。昼間は透明度が悪くて、残念なダイビングになってしまっていたとしても、ナイトダイビングのときには大量の夜光虫が光り輝いて、すごいときにはダイバーの体全体が青白く輝くほどになると、鳥肌が立つほどの景観です。

ナイトダイビングの楽しさ④サンゴの産卵

沖縄など南国の海で見られるサンゴは植物ではなく、小さな生物が集まった群生なので、卵を産みます。沖縄あたりだと、6月から7月の満月前後に産卵することが多く、海中がピンク色に染まるほどの一斉産卵に当たると、震えがくるほどの感動を味わえます。

日本のサンゴの故郷と呼ばれる石垣島や西表島の間にある石西礁湖や、日本最大のサンゴ礁の八重干瀬のある宮古島、それに沖縄本島や慶良間諸島、チービシなどでサンゴの産卵を狙ったナイトダイビングツアーが開催されています。

サンゴの産卵を見ることに力を入れているダイビングショップでは、毎年産卵の確率が高い日程を公開しているので、その日程を狙ってツアーに参加してはいかがでしょうか?

3.ナイトダイビングの必需品「ライト」

おすすめ水中ライトの特徴【7点】

ナイトダイビングで使用する水中ライトには、大きく分けると3種類あります。それぞれメインライトと、メインライトが故障したときに使用するサブライト、そして識別のために使用するケミカルライトです。

以前は、メインで使用するライトには大型のものでないと、光量が充分ではありませんでしたが、現在ではLEDの性能が向上して、小型でも明るいライトが販売されています。

そのため、メインとサブの区分けはしなくても良いですが、故障したときのためにもう1本持っておくとよいでしょう。ケミカルライトは100円ショップなどで売られているもので十分です。

一般的にはレギュレーターのファーストステージにあるダストキャップに取り付けておきますが、様々な色に発光するものがあるため、誰が何色のケミカルライトをつけているかを覚えておけば、誰がどこにいるかを知ることができます。

おすすめの水中ライトの特徴をまとめると次の7項目があります。昼間でも鮮やかなサンゴや魚の色を見たり、岩の間を覗いたりすることがあるため、ナイトダイビングのときだけでなく、昼間でも使えるライトとしてのおすすめをあげています。

おすすめ水中ライトの特徴①400ルーメン以上の光量

明るければいいことは間違いありませんが、400ルーメンあれば、充分ナイトダイビングのメインライトとしての実力はあります。

おすすめ水中ライトの特徴②BCDのポケットに入ったり、コンデジのハウジングにつけられるサイズ

ビデオ撮影で使うときには大きなライトが必要になりますが、一般ダイバーには小型のものの方が、エントリー&エキジットのときや、潜っているときに邪魔になりません。

おすすめ水中ライトの特徴③市販の充電池を使ったバッテリー

予備のバッテリーを用意するときには、市販のバッテリーの方が便利です。

おすすめ水中ライトの特徴④本体が金属製

樹脂製のライトは衝撃で歪んでしまい、水没や故障の原因になるので金属製のライトがおすすめです。

おすすめ水中ライトの特徴⑤明るさの切替機能

この機能は絶対必要というわけではありませんが、1000ルーメンを超える明るいライトの場合には、昼間に手前を照らしたときに明るすぎることがあるため、明るさの切替機能があると便利です。

おすすめ水中ライトの特徴⑥ワイドとスポットの切替機能

この機能も絶対に必要というわけではありませんが、ナイトダイビングをするときや、生物を探すときには広角に照らせて、岩陰を覗くときや生物を教えるときには狭角に照らせると使い勝手がよいです。

おすすめ水中ライトの特徴⑦ダイビング器材メーカーの製品

以下に記載しますが、信頼性の問題から、よくわからないところで製造し、販売されている水中ライトはおすすめすることができません。

上記の条件を網羅した水中ライトは、5万円以上のものもありますが、1万円台で充分購入することができます。

ネットで水中ライトを検索すると、非常に安価な水中ライトが販売されています。中には、5,000円程度で3000ルーメンという、安価なのに明るいとされるものを見つけることができますが、一般ユーザーが光量を調べることはできないので、実際の光量はずっと低いものがほとんどです。

また、防水のために使われている「Oリング」が陳腐なものが使われていたり、構造そのものも変形しているものもあります。安いものだから寿命が短くても、水没しても痛くないと思うかもしれませんが、水没や故障によって使用されているリチウムイオン充電池が爆発する事故の危険性があるのです。

リチウムイオン充電池は、小さくても大きなパワーが得られるとあって、スマホやデジカメなど日常生活でも普及している電池です。大きなパワーがあることは良いのだけれども、不具合や故障が起きたときには場合によっては爆発する危険があります。

日本では、まだそれほど普及していませんが、欧米ではリチウムイオン充電池が普及していて、最も普及している18650リチウムイオン充電池を使っている水中ライトが多機種あります。

リチウムイオン充電池には、爆発などの事故を防ぐために、保護回路がついていますが、安価なリチウムイオン充電池には、保護回路がついていると記載されていても実際にはついていなかったり、保護回路がついていても正常に動作しないものも見つかっています。

ネットを見ると、18650リチウムイオン充電池で電池容量が3000mAhを超えるものが、500円程度のものが見つかります。こちらも一般ユーザーが電池容量を測ることができないので、半分以下の電池容量であることがほとんどです。また、保護回路の信頼性も疑問があります。

ダイビング器材メーカーの水中ライトについているリチウムイオン充電池であれば、信頼できますし、バックアップとして充電池がほしいときには、信頼できるメーカー(SONYやPANASONICやKEEPPOWERなど)の製品を購入するようにしましょう。

4.ナイトダイビングのテクニック

ナイトダイビングを行うときには、難しいテクニックを使う必要はなく、昼間に普通に潜れるスキルがあれば、夜だからといって潜るのが困難になるということは全くありません。

ただ、ライトを照らしているところ以外見えないということと、ライトを常に持っていることで、ライトを使ったテクニックを覚えておくと、とても便利です。

まず、ナイトダイビングでは、ガイドやバディは昼間のように水中でダイバーの様子をチェックしにくいため、昼間以上にバディチェックは入念に行って下さい。

ハンドシグナルは、昼間と同じように使うことができますが、相手によく見えないので、右手で持ったライトで、左手を照らしながらハンドシグナルを出して下さい。

「OK」と「NG」に関しては、ライトそのものでシグナルを出すことができます。OKの場合には、ライトで大きく円を描き、NGのときには、上下に激しく振ります。

例えば、潜降したときに、5人で潜るときには、5つのライトによる円が描かれれば、全員OKということになるので、昼間のように1人1人確認する必要がなく、とても便利です。

残圧計を確認するときには、ライトに光を直接当てると眩しくて読み取りにくいので、ライトを残圧計に押し当ててから見るようにすると、残圧計には蓄光塗料が塗られているので読み取ることができます。

昔のダイブコンピューターも同じように蓄光塗料が塗られているものもありましたが、最近のタイプはバックライトで読み取るものがほとんどになっています。

バックライト専用のボタンや、ボタンの長押しでバックライトが点灯するので、あらかじめ操作を覚えておくようにしてください。

5.ナイトダイビングの注意事項

ナイトダイビングは、決して難しいものではなく、誰もが楽しむことができるものですが、いくつか注意事項があります。注意事項の中には、守らないと大きなケガにつながるものもあるので、しっかり理解するようにしておきましょう。

ナイトダイビングの注意事項①ライトは途中で消さない!

水中ライトは機械なので、動く部分が最も故障しやすいところです。スイッチをカチカチと動かすと、故障の原因になるため、ナイトダイビングのためにスイッチを入れたら、潜り終わるまでライトは点けっぱなしにしておきます。

夜光虫を見るときには、ライトの明かりが邪魔になるので、ライトを胸に押し付けるようにして、周りを暗くしてから、水をかき混ぜてみてください。

ナイトダイビングの注意事項②水面ではライトを横にしない!

水面近くにはダツという口のとがった魚がいることがあります(ダツは南方の生物ですが、夏から冬までの伊豆でも生息しています)。ダツは光に突進してくる性質があり、尖った口で怪我をする危険があるため、水面付近ではライトを横に向けないで、下に向けるようにしましょう。

ナイトダイビングの注意事項③人の顔にライトを向けない!

現在の水中ライトは非常に強力なので、直接光を見ると一瞬ですが視力がなくなってしまいます。人を呼ぶときには、相手の胸のあたりを照らしてあげれば気づいてくれます。

ナイトダイビングの注意事項④手や膝をつくところはライトを照らして!

夜行性の生物のウニの仲間は、普段岩陰に潜んでいますが、夜になると砂地まで出てきます。確認しないで着底してしまうと、ウニを踏んでしまい、自分も痛い目を見ることになります。

ナイトダイビングの注意事項⑤眠っている魚を起こさないように!

夜間、魚は寝ているので、触ることはできます。触ると魚はパニックを起こしてしまうので、触らないようにしましょう。

ナイトダイビングのまとめ

ナイトダイビングの魅力や注意点について、ここまで述べてきましたが、いかがでしたでしょうか?ナイトダイビングは、時間があるからちょっとやってみようかというほど気軽にはすることができないかもしれません。

しかし、昼間のダイビングでは決して味わうことができない、ナイトダイビングでしか見ることができない夜光虫を見るなどの素晴らしい体験をすることができます。

もし、ナイトダイビングをする機会があれば、ちょっとお酒を飲む時間を遅くしてでも、ナイトダイビングにチャレンジしてみてください。ナイトダイビング後のビールタイムは、より格別なものになりますよ。

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