ダイビングを始めたいなら、体験ダイビングを経験してみよう。
体験ダイビングという言葉を聞いたことがありますか? 海外旅行などで耳にしたことがあったり、実際に体験したことがある方もいるかもしれません。 今回は体験ダイビングと言うものがどんなものなのか説明させていただきます。
目次
1.体験ダイビングって何?
体験ダイビングとは文字通り、ダイビングを1度経験してみたい人向けの手軽な体験コースです。ダイビングライセンスを持っていない方でも、気軽にダイビングを体験することができます。
体験ダイビングを選ぶ1つ目のポイントは、ダイビングの回数です。主に1ダイブと2ダイブがあります。 1ダイブは「ダイビングを初めてみたいけど、体力に自信がない」人に適しています。
体を激しく動かすアクティビティではないですが、1ダイブの方が2ダイブよりも体力を使いません。 1ダイブのみだと、料金も7000〜8000円前後であり、高くでも1万円ほどです。
そのため、2ダイブと比べて、安価で手軽にダイビングを経験できるのが良いところです。 2ダイブは「ダイビング経験はないが特に不安になる点はない」人に適しています。
ダイビングのスキル、海況などによって異なりますが。体験ダイビングの場合は、1回の潜水時間が20〜30分ほどです。 器材の使い方や呼吸の仕方、水中での中性浮力など、基本的なスキルのコツをつかむのに時間がかかり、潜水時間が短くなってしまう傾向があります。
2ダイブを経験する場合は、1ダイブ目での失敗を2ダイブ目で活かすことができ、1ダイブと比べて余裕を持って楽しむことができます。
また、同じ場所でのダイビングをすることはほとんどないため、違う場所を潜り楽しめることも、2ダイブをするメリットでもあります。 2ダイブだと、料金は10000〜15000円ほどです。1ダイブに比べて2ダイブをする方が、1回辺りのダイビング料金が安くなる傾向にあります。
1ダイブ開催は半日が多く、2ダイブ開催は1日が多いです。おすすめは2ダイブの体験ダイビングですが、ご自身の旅行スケジュールと合わせて、選んで頂ければと思います。
2.体験ダイビングの所要時間
体験ダイビングを選ぶ際のポイントとして、所要時間があります。
※所要時間=移動も含めたダイビングツアーに要する時間
大きく分けると、半日ダイビングは約2〜5時間。1日ダイビングは6〜9時間ほどです。
半日ダイビングは、ダイビングも観光も両方楽しみたい人におすすめです。 午前・午後と選ぶことができます。時間帯によっては旅行初日でも参加が可能です。 飛行機に搭乗する日には、減圧症防止のためダイビングをすることができません。
また、午前は朝からダイビングを楽しんで、午後は観光を楽しむなど、旅行のスケジュールを立てやすいところも半日ダイビングの良いところです。
1日ダイビングは、時間の許す限り美しい海中世界を満喫したいという人におすすめです。 1日ダイビングを選択した場合、必ずしも、1日中ダイビングだけというわけではありません。 シュノーケリングとセットになっている事もあります 。
また、1日ダイビングは、”船上ランチ付き”のプランも多く、存分に美しい海を満喫できるところが1日ダイビングのメリットです。昼のランチが終了後、体力のある方は休憩時間を活用して、シュノーケリングをしている方もいます。
半日・1日ともに、1ダイブあたりにかかる時間は約20~30分と差はありませんが、所要時間については開催エリアやプラン内容によって変わります。旅行の日程と照らし合わせながら、体験ダイビングのプランを選びましょう。
3.体験ダイビングで準備するもの
体験ダイビングで特別準備するものはありません。 水着・タオル・サンダルだけで大丈夫です。手ぶらで参加できるのもお手軽でいいですね。
ウェットスーツや器材は全てお店でレンタルできますので安心です。 自分に合っているかどうかで、使いやすさが大きく変わる、フィン・マスク・スノーケルなどの軽器材。さらに体へのフィット感が大切なウェットスーツを体感する良い機会になります。
4.体験ダイビングの制限
体験ダイビングでは主に、年齢、深度、水中の自由度の3点に制限があります。
体験ダイビングの制限①年齢
多くの場合、10歳以上であれば体験ダイビングに参加することができます。 ショップによっては、流れが少なく水深の浅いポイントでは8歳から参加できる場所もありますが、基本的には10歳以上です。 もし、旅の思い出等で親子で水中世界を見たい場合は、シュノーケリングがおすすめです。沖縄などの海では浅瀬でもサンゴや熱帯魚を見ることができます。
本格的に続ける場合は、ジュニアダイバーがおすすめです。 お子さんが興味をもって、本格的にダイビングを続けたいと思ったら、ジュニア用のライセンスもあります。
代表的なダイビング団体のPADIでは、10〜11歳までが受講できるジュニアダイバーを取得すると、インストラクター、保護者による同行が条件で、水深が12mまでの潜水が可能になります。
12歳~14歳になると、ジュニアオープンウォーターダイバーが取得でき、成人のダイバーと同行することを条件に、最大水深18mまでの潜水が可能です。ジュニアダイバーの認定は15歳になると、成人が取得する同一ランクのライセンスにアップグレードすることができるので、改めて講習を受ける必要はありません。
そのため、早い内からダイビングに興味をもって、ライセンスを取得しても損をすることなく、水中世界を楽しみ続けることができます。
体験ダイビングの制限②深度
体験ダイビングでは最大深度が12mまでに制限されています。 これは水深が深くなると、様々なリスクがあるからです。 減圧症や肺の過膨張障害など障害を負うリスクもあります。 ライセンス講習では、これらの知識を得て、リスクを避けるスキルを身に付けます。
体験ダイビングを希望する方には、水中洞窟、流れあるドリフトダイビング、ナイトダイビングなど、雑誌に掲載された魅力的なポイントに潜ってみたいという声も多いです。 しかし、これはライセンスを持ったダイバー限定となります。体験ダイビングは、昼間の海ですぐに浮上できる場所でダイビングを行います。
体験ダイビングの制限③自由度
体験ダイビングでは、常にインストラクターの手が届くところにいないといけません。 何かトラブルが起こった際、専門的な対処方法を知らない方にダイビングを提供しているからです。
ダイビングに対して、水中を自由に泳ぐイメージがあるかもしれませんが、中性浮力のテクニックが無いことで、サンゴや水中生物へ危害を加えないように水底を泳いだり、インストラクターが支える泳ぎ方になるので、水中の自由度が低くなります。
5.体験ダイビングのエントリー方法(ビーチorボート)
体験ダイビングプランを選ぶポイントとして、エントリー方法があります。大きく分けると、ビーチエントリーとボートエントリーの2つがあります。
ビーチエントリーは沿岸部から海に入る方法です。 足が届かない場所から海に入るのが不安という人におすすめです。 砂辺・浅瀬などの足が届く沿岸から海に入るため、不安感を抑えることができます。
ダイビングポイントが沿岸周辺に限定されるところがやや難点ですが、乗船料がかからず、ダイビング料金が安いところはビーチエントリーのメリットです。
ボートエントリーは船やボートから直接海に入る方法です。 人込みの少ない場所でダイビングをしたいという人におすすめです。 船で沖合に出てから海に入るため、ダイビングポイントまでスムーズに移動ができます。
また、器材を背負って移動する必要が無いため体力の消耗を抑える事もでき、特にダイバーで混雑する夏のハイシーズンは楽にエントリーができます。料金面においてビーチダイビングと比べて高いところが難点です。
しかし、透明度が高くサンゴ礁や魚が多い場所へ行けたり、ビーチからは行けないポイントへ行けることが、ボートエントリーのメリットです。
ビーチエントリーが多いエリアもあれば、ボートエントリー限定のエリアもあるので、自分がどのような体験ダイビングをしたいのかを考え、体験ダイビングのプランを選びましょう。
6.体験ダイビングをするまでの流れ
ダイビングショップに予約をしよう
まずは近隣のダイビングショップ、もしくは行ってみたい海のダイビングショップに問い合わせをしてみましょう。 その日急に来店し、今から体験ダイビングというわけにはいきません。事前に予約を必ずし、機材の準備に必要な身長、体重、足のサイズ等の詳細情報を伝えましょう。
ダイビングショップへ行こう
現地型のショップを利用する場合はお店に直接向かいます。 電車の場合、最寄りの駅に集合し、ショップまで送迎してもらうことがほとんどです。 都市部など生活圏内にある都市型ショップを利用する場合は、指定された場所(駅やショップなど)に集合し海へ向かいます。
お店では免責同意書と言ってダイビングの危険告知書等の確認書類の記入を必ず行います。 体験ダイビングの冊子や説明映像などを見て事前知識の解説をしてもらいます。
体験ダイビングの海へ入ろう
書類等の準備が完了したら、水着に着替え、ウェットスーツを着て海に向かっていきます。海の中へ入っていく前に、実際に器材を使っての説明を受けます。ここでは、インストラクターが代わりにできない重要なスキルを中心に説明を受けます。
専門のトレーニングを受けているわけではないため、全ての準備や最低限のトラブル対処法以外のものを、インストラクターに代わりにやってもらう形で海の中に入って行きます。
・水中での呼吸方法
・水中でのバランスの取り方
・耳抜き
・マスククリア
1.まず、とにかくゆっくりと呼吸をすること。呼吸方法
2.鼓膜にかかる水圧による痛みを緩和、解消していくための耳抜きスキル
3.マスクの中に水が入ってしまっても、慌てずに水を外に出す方法
4.レギュレーターと呼ばれる呼吸器具が、水中で外れてしまったときの対処法
5.意思の疎通を取るためのハンドシグナル
6.その他の緊急手順の説明など、ダイビングをする上で重要な技術知識を確認
体験ダイビングの海へ潜ろう
ダイビングをする上での技術的な説明を終えたら、季節に応じた海のコンディション、見られる生き物、水中での動きの流れなどを説明するブリーフィングを聞きます。 ダイビングポイントよって、手すりからそのままロープにつかまって水底に降りて行ける場所もあれば、ブイなどを使って水底に降りる場合もあります。
ダイビング器材の総重量は20キロ以上になります。初めは重さに驚くかもしれませんが、慣れると小柄な女性でもヒョイっと器材を担いでいます。実際に水中に入ると、思った以上にバランスが取りづらいことや少し息苦しさを感じることもあります.
しかし、時間をかけて水中世界に慣れていくと、どんどん余裕が出てきて周りにたくさんの生き物がいることに気がつきます。
海の中では見渡す限りの生き物、魚だけでなくエビやカニ、ヒトデや海藻などたくさんの生き物に溢れています。水の中にいる時間は大体20分から30分位です。 シリンダーと呼ばれる空気の入っている容器は、体験ダイビングエリアであれば1時間以上もつ位の圧縮空気が入っているので、空気がなくなると言う心配はありません。
思う存分水中世界を楽しみましょう。
体験ダイビングを終えて、陸上へ上がろう
インストラクターの浮上の合図に合わせて、名残惜しみながらも陸上へ戻ります。海の中では重さを感じなかった器材がずしっと体にのしかかり、陸上世界へ帰ってきたんだな、と実感します。
機材をおろしウェットスーツを脱いだら間水のシャワーでしっかり海水を落としましょう。ダイビングポイントには必ず機材を洗う真水の桶や、お湯が出るシャワー施設などがあります。
お店に戻って精算をして終了です。体験ダイビング中の写真を撮影してくれるサービスがあるお店もあります。カメラ自体をレンタルするサービスがあるところもありますが、初めての体験ダイビングの場合、写真を撮ってもらう方がいいかもしれません。
体験ダイビングはライセンスを取得する講習と違い、必要最低限の知識技術で水中に入っていくため、お手軽な反面、安全上自由度はあまり高くないです。
体験ダイビングのまとめ
ぜひ体験ダイビングをしてダイビングに興味がわいたら、ライセンス講習に参加し、しっかりとトレーニングを受けましょう。ライセンスを取得すると、水中をより自由自在に動き回り、水中世界と言う非日常を体いっぱいで感じることができます。 ライセンス講習を開催している指導団体によっては、体験ダイビングに参加するとライセンスコースのトレーニングが免除になるという制度もあります。
詳しくは、担当したインストラクター又はショップに相談してみてください。
この記事を読んで体験ダイビングに参加してみよう、ライセンスコースの前に一度体験ダイビングで様子をみよう、など体験ダイビングに対しての不安が少しでも解消できれば幸いです。
皆さんもぜひ体験ダイビングに参加してみてくださいね。
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