【世界のダイバー保有率1位】PADIダイビングライセンスの種類を詳細解説!

【世界で最も主要な団体!】PADIダイビングライセンスの種類を詳細解説!

毎年これから始めてみたい趣味や取得したい資格についてのアンケートを取ると、スキューバダイビングは必ず上位にランキングします。スキューバダイビングは空気がなく、水圧もかかるという特殊な環境で行われるレジャーのため、確かな技術と知識をつけておかなければ、生命に関わる大きな事故となりえます。

そのため、しっかりとした講習を受けて、ダイビングライセンスを取得してから、楽しむようにしましょう。

本記事ではダイビングライセンスと記載していますが、厳密にいうとダイビングライセンス=資格ではありません。厳密に言うと、民間団体(PADIなどのダイビング指導団体)が、技術と知識を修了していることを証明する認定証になります。

そのため、講習を受けずにスキューバダイビングをしたとしても、それを罰則する法律は日本にはありません。しかし、知識も技術もなく、海に潜るということは、誰もが危険なことだと認識しているので、ダイビングライセンスを持たずに、スキューバダイビングをしようとは思わないはずです。

この記事では、ダイビングライセンスの指導団体や種類についての説明を行い、その後にダイビングライセンスを取得する場所によるメリットと注意すべき点について説明していきます。

1.スキューバダイビングの指導団体

ダイビングショップのホームページにある、ダイビングライセンス取得に関するページを見てみると、PADIやNAUIなどのダイビング指導団体のマークが必ず表示されています。

基本的に各ダイビングショップは、1つの指導団体の講習を開催しています。いくつものダイビングショップのホームページを見てみると、最も目につく指導団体はPADIです。

事実、世界中のダイバーも、日本のダイバーの比率を見てみても、5割以上のダイバーがPADIの講習を受けてダイビングを楽しんでいます。日本でPADI以外にシェアのある指導団体というと、NAUI、SSI、CMAS、SNSIなどがありますが、ここであげた指導団体であれば、世界のどこにいっても潜れないといったことはありません。講習内容も小さな違いはありますが、根本的内容はほとんど変わりません。

最もシェアが高いPADIでなければいけないということはありませんが、マイナーな指導団体を選んでしまうと、訪れたダイビングショップやサービスで、どんな講習を受けているか確認することができず、ファンダイビングではなく、体験ダイビングしか受け付けてくれない可能性があるので、ここであげた5つの団体を選んだ方が無難です。

ポイント:日本国内でシェアのある主な指導団体は、PADI・NAUI・SSI・CMAS・SNSIなど

2.ダイビングライセンスのランク

スキューバダイビングを始めようとする初心者が最初に受ける講習は、PADIではオープンウォーターダイバーのコース(以下OWコースと呼びます)になります。実際には、OWコースの前にスクーバダイバーと呼ばれるコース(以下SDコース)があります。

しかし、SDコースでは、インストラクターと一緒でなければいけなかったり、最大水深が12mまでだったりと制約が大きく、これから本格的にスキューバダイビングを楽しんでいこうと思ったときには、またOWコースを受ける必要があり、結果的に時間も料金も余計にかかってしまいます。

最初からOWコースを受けることができるので、わざわざSDコースを受ける必要はないでしょう。ちなみにNAUIではPADIのOWコースと同等な講習をスクーバダイバー・コースと呼んでいます。

ダイビングの指導団体によって、呼び名が違うだけでなく、ダイビングライセンスの種類そのものがなかったりすることもあるので、ここでは最もダイバー数の多いPADIのダイビングライセンスのランクについて主に以下の4点を説明していきます。

①オープンウォーター ダイバー

スキューバダイビングをこれから始める人が、最初に受けることになるOWコースは、学科講習と限定水域講習(プールまたは穏やかな海域での講習)、それに海洋実習が2日間で4本を潜り、基本的に3日間から4日間のコースになります。4本の海洋実習を1日で済ませることは許されていません。

OWコースを修了すると、最大水深18mまで潜ることができ、インストラクターやダイブマスターのようなプロフェッショナル・ダイバーと一緒でなくても潜ることができます。プロフェッショナルがいなくても潜ることはできますが、そのダイビングスポットのどこが楽しいのか、生物探しもなかなかできないということもあるので、スキューバダイビングを始めた時には、水中ガイドをつけて潜ることが一般的です。

最大水深18mというのは、インストラクターと一緒に潜らない時なので、インストラクターと一緒に潜るときには、18mを越えても問題ありません。

さらに言うと、バディー同士で18mを超えて潜ったとしても、罰せられることもありません。しかし、深く潜るということは、エアーの消費が早くなったり、減圧症のリスクが高まったりと、注意しなければいけないことが増えるので、18mを超えて潜ることはおすすめしません。

より深くまで潜りたいと思ったときには、以下に説明しているアドバンスド・オープン・ウォーター・ダイバー・コースを受けることをおすすめします。

②アドバンスドオープンウォーター ダイバー

OWダイバーが最大水深18mだったのに対して、アドバンスドオープンウォーターダイバー(以下AOWダイバー。通称アドバンス)になると、推奨30mまで、絶対に越えてはいけない40mまで潜っても良いことになります。

また、コース中にナイトダイビングを体験できたり、コンパス・ナビゲーションができるようになるなど、様々なスキューバダイビングの経験をすることができます。OWコースが潜れるようになるためのコースだとすると、AOWコースはスキューバダイビングの幅を拡げるコースということができます。

PADIのオープンウォーターダイバー、または他団体の同等ランクのダイバーでログブックに4本以上のタンク本数が記載されていれば、AOWダイバー・コースに参加することができます。

コースに必要な日数は最低2日間で、5本のタンク本数が必要です。OWコースのような最終試験はありませんが、事前にナレッジ・レビューというレポートをあげてくる必要があります。

5本のダイビングのうち、2本は方向や距離を計るアンダーウォーター・ナビゲーションと、18mを超える深い水深を経験するディープ・ダイブと決まっていますが、残り3本は自分の好みやダイビングスポットの特性によって決められます。インストラクターと相談の上、興味のあるダイビングの内容を選んでください。

③レスキューダイバー

PADIレスキューダイバー・コース(以下REDコース)は事故を起こさないように、または事故が起きたときに人を助けられるスキルを学ぶことになり、REDコースを終えることによって、大きな自信がつくことが間違いない講習です。

PADIのAOWダイバー、または他団体の同等ランクのダイバーで20本以上のタンク本数が記載されていれば、REDコースに参加することができます。

また、救急手当の訓練(PADI EFRコース)を2年以内に修了しているか、医師・看護師・救急救命士で2年以内に救急救命の講習を受けている証明を受けている必要があります。

たまに20本潜っていないと、REDコースには進めないと思っている人がいますが、PADIのAOWダイバーであれば、本数制限はありません。ただスムーズな潜降や水面での器材の脱着が問題なくできるレベルでなければ、REDコースについていくことは難しいので、自分のスキルに自信がつき、受講するインストラクターに相談してから参加することをおすすめします。

プールや海でレスキュースキルの練習や、事故が起きた時のシミュレーションを最低2日間かけて講習を行います。マニュアルを使って自習を行い、最終試験もあります。

④プロコースなど他のランク

レスキューダイバーを取得すると、年齢18歳以上であれば、ダイブマスター・コースというプロコースに参加することができます。ダイブマスターになると、インストラクターの試験を受けることができます。

ダイブマスターとインストラクターの役割の違いを細かく説明すると、長文になってしまいます。簡単に説明すると、ダイブマスターはファンダイビングの水中ガイドはできますが、生徒を講習して認定できません(厳密にいうとダイブマスターでも認定できるランクがあります)。

PADIの場合、細かくみていくとOWダイバーとAOWダイバーの間にアドベンチャー・ダイバーがあり、レスキューダイバーを取得していて、スペシャルティ・コースを最低5つ取得すると、アマチュアダイバーの中で最高峰の認定である、マスタースクーバダイバーがあります。

プロレベルでもダイブマスターとインストラクターの間に、アシスタント・インストラクターがありますが、取得しても優遇があったり、役割が増えたりということはほとんどなく、取らなくてもその上のランクを受けることができるので、料金の無駄にもなり、取得する必要はありません。

3.ダイビングライセンスを取得する方法

PADIのOWコースを受ける場所を大きく分けると

  • 海外リゾートで講習を受ける方法
  • 伊豆や沖縄にある現地型ショップで受ける方法
  • 都市型ショップで受ける方法(主に自分が住んでいる場所の近くに存在する)

の3つがあります。それぞれにメリットとデメリットがありますので、下記の説明を理解して、自分にあった方法を選択してください。

①    海外でダイビングライセンスを取得する

日本から近くの海外というと、グアム・サイパンやフィリピンのセブ島、遠いところではエジプトの紅海(レッドシー)やカリブ海でも講習を受けることができ、PADIのOWコースは世界のどこで受けた場合でも達成条件は同じなので、原則的には同じ内容の講習を受けることができます。

海外で取得する良い点

キレイで暖かい海での講習になるので、ストレスを感じずに講習に参加できるのは、大きなメリットです。往復の飛行機や滞在のホテルや食費が別にかかりますが、物価の安いアジア圏ではダイビングライセンスの取得料金が格安になることが多いです。

海外で取得する注意点

水中では万国共通のハンドシグナルを使いますが、学科講習などでは言葉を使った講習になります。日本語以外での講習になると微妙なニュアンスが伝わらない可能性があります。

ただし、PADIではe-learningとして、別料金になりますが、自宅でネット学習をすることによって学科講習を済ませる手段があります。

また、旅行会社と提携していて、日本から距離の近いダイビングショップでは、繁忙期になると多くのダイビングライセンスの取得希望者が訪れるため、流れ作業的な講習になりがちです。

本来はPADIによって定められた達成条件を満たさなければ、ダイバーとして認定してはいけないのですが、おまけと称して認定してしまうところもありえます。

②    伊豆、沖縄へ直接行って、ダイビングライセンスを取得する

日本でスキューバダイビングが盛んな地域というと、関東地方のダイバーが集まる伊豆半島や関西圏では紀伊半島が有名であり、日本が世界に誇る人気ダイビングエリアの沖縄もあります。

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それらのスキューバダイビングを行うポイントの近くには、現地型ショップと呼ばれるダイビングショップが存在しています。

ダイビングショップの近くのポイントで、ファンダイビングのガイドを行うことが、メイン業務になりますが、事前に予約をしておくことによって、OWコースを受けることが可能です。現地型のダイビングショップの中には、ファンダイビングよりも講習に力を入れているところもあります。

現地ショップで取得する良い点

その海を熟知したインストラクターによる講習と、多くのゲストを見てきた経験値から質の高い講習が受けられる可能性が高くなります。また、沖縄では言葉の問題もなく、暖かくキレイな海で、ストレスの少ない講習が受けられるメリットがあり、伊豆半島や紀伊半島などの近場の海であれば、好きなときに日帰りまたは長くても1泊2日といった日程で済むため、長期休暇を取らなくてもダイビングライセンスが取得できます。

現地ショップで取得する注意点

悪天候で講習が終わらなかった時は、後日また通わなければいけないため、余計な料金がかかってしまいます。また、海外リゾート以上に講習を行っている沖縄の現地ダイビングショップでは、流れ作業的な講習になってしまいます。器材の洗い方を教えなかったり、4本の海洋実習が必要なのに、2本しか潜っていないでダイビングライセンスの認定をしてしまうところも以前ありました。

③    東京、大阪にある都市型ショップでダイビングライセンスを取得する

ダイビングショップは主に海で行うレジャーなので、海の近くにしかないと思っている人も多いものです。しかし、日本には海のない内陸県を含めて、全47都道府県全てにダイビングショップが存在していて、都市型ショップと呼ばれています。

駅の近く、幹線道路沿い、住宅街の中など色々な場所にダイビングショップがあり、中にはインストラクターが10人以上所属している大きな都市型ショップもありますが、ほとんどの都市型ショップはインストラクター1人か、多くても数人の小さな店舗がほとんどです。

都市型ショップで取得する良い点

長期休暇を取らなくても良く、海までの移動手段がなかったり、移動が苦痛と感じている人にとって、海までの往復移動をしてくれることは大きなメリットとなります。自宅や職場の近くにあり、馴染みのインストラクターができるので、気軽にスキューバダイビングの相談をすることができ、その後のスキューバダイビングの継続率が高い傾向があります。

都市型ショップで取得する注意点

都市型ショップはダイビングショップによってカラーが様々なため、スキューバダイビングの知識が少ない人にとって選択が難しいところがあります。

質が高くて、料金が安い講習をしてくれるダイビングショップが最高ですが、基本的には質が高くなれば、料金が高くなるのが、どんな商品でも基本です。そのため、手抜きのない講習をしていて、それでいてコストパフォーマンスの高いダイビングショップを選ばなければいけません。

講習料金が格安で、器材を押売りするような悪徳ダイビングショップは、インターネットが普及したことでほぼ絶滅しましたが、それでも質と料金がマッチしていないダイビングショップは残されています。

近所に複数の都市型ショップがあるのであれば、実際に訪問して、比較してみることをおすすめします。

都市型ショップによっては、講習の最低開催人数が設定されていることがあり、週末や夏季は生徒の数が多いですが、平日等は生徒が集まらないため、希望の日程で講習に参加できない可能性があることもデメリットとしてあげられます。

PADIダイビングライセンス取得のまとめ

ここまでで、特にPADIに関するダイビングライセンスの種類と、どこでダイビングライセンスを取得するかについて説明してきました。プロレベルになると、毎年メンバー費や保険料の支払いといった更新手続きがありますが、レスキューダイバーまでのアマチュアレベルのダイバーには、有効期限や更新手続きというものはありません。

もしレスキューダイバーになったとしても、数年もブランクが空いてしまうと、スキルや知識を忘れてしまっているものです。できるだけブランクを作らないように潜ることをおすすめしますが、ブランクが空いてしまったときには、自分を過信していきなり難しいポイントに潜りにいかないようにしましょう。

しばらくおとなしめなポイントで潜るようにしたり、必要に応じてスキューバ・リビュー・コースと呼ばれるスキューバダイビングのおさらいコースに参加することによってスキューバダイビングの知識とスキルを思い出すようにしましょう。

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